FXトレード実践研究ブログ

米国の平均時給の推移(棒グラフあり)、雇用統計の平均時給を見るたびにアメリカの時給の高さに驚きます。

日々、様々な経済指標が発表されますが、為替に一番影響を与える経済指標といえば、「米国の雇用統計」だと思います。

毎月第1金曜日(夏時間は日本時間21:30、冬時間は日本時間22:30)に発表される経済指標です。

米・雇用統計の結果が良ければ、ドル円は上昇(=ドル高円安)する傾向があり、結果が悪いとドル円は下落(=ドル安円高)する傾向があります。

米・雇用統計では複数の指標が発表されるのですが、マーケットで主に注目されるのは以下の3つです。

米国の雇用統計で発表される指標
  • 非農業部門就業者数
  • 失業率
  • 平均時給

私は2016年からFXを始めたのですが、2017年に入ってから、インフレ懸念からか特に「平均時給」が注目されているように感じています。

そして、雇用統計で発表される「平均時給」を見るたびに、「アメリカの時給って高いな〜」と思います。

たとえば、2018年6月1日に発表された米・雇用統計では平均時給は「26.92ドル・前年同月比2.7%増」となっています。

米失業率18年ぶり低水準 雇用改善、利上げ後押し:日本経済新聞(2018/6/1)

もっとも、賃金の伸びは依然として緩やかだ。平均時給は26.92ドルと前年同月比2.7%増だった。伸び率は改善傾向にあるが、08年の金融危機前の3~4%には届かない。雇用情勢の逼迫がどこまで賃金を押し上げるかが、先行きのインフレ率を大きく左右しそうだ。

本日のドル円の為替レートは1ドル110円ほどなので、1ドル110円で計算すると、時給26.92ドルは日本円で2,961円です。

約3000円ですが、これは平均なので、人によってはもっと高い時給をもらっていることでしょう。

日本でも最近は人件費が上昇しており、アルバイトの時給は増加傾向にありますが、それでも時給3000円をもらっている人はほとんどいないと思います。

日本の平均時給はどれくらい?(2018年4月)

バイト時給、4月1.9%高 三大都市圏 連休前に人手確保:日本経済新聞(2018/5/16)

求人情報大手のリクルートジョブズが15日発表した三大都市圏(首都圏・東海・関西)の4月のアルバイト・パート募集時平均時給は、前年同月比1.9%(19円)高い1021円だった。

この記事を読むと、2018年4月の日本のエリアごとのアルバイト・パートの平均時給は以下の通りです。

日本のエリアごとのアルバイト・パートの平均時給
  • 三大都市圏(首都圏・東海・関西):1021円
  • 首都圏:1062円
  • 関西:989円
  • 東海:964円

うちの近所のコンビニや吉野家でも、高くても1200円(深夜)くらいです。

2017年末にヤマト運輸がドライバー不足で時給2000円で募集を出していましたが、これはレアケースでしょう。

日本はバブル崩壊以降、給料が上がっていない会社が多いですが、アルバイトの時給も同様で、私が高校生の時とたいして変わっていません。

一方、アメリカでは前年比で時給が2.7%も上がっており、2018年5月の平均時給は26.92ドル(1ドル110円計算で2,961円)です。

ここで気になったのが、アメリカの平均時給の推移です。どのようなペースで上昇しているのか気になったので、確かめてみました。

米国の平均時給の推移

米国の雇用統計は「米国労働省」から発表されます。

U.S. Bureau of Labor Statistics

このトップページの右側に「Average Hourly Earnings(平均時給)」とあります。(赤枠)

「Average Hourly Earnings」の棒グラフのアイコンをクリックすると、以下のようなページが表示されます。

この状態だと「前年比」のデータしか見られないので、赤枠で囲った「More Formatting Options」をクリックします。

左の赤枠で「1-Month Net Change」を「Original Data Value」に変更し、右の赤枠で「Specify year range」から「All years」に変更します。

上記のように変更したら、下の「Retrieve Data」ボタンをクリックします。

すると、2006年から2018年の米・平均時給の推移を棒グラフで見ることができます。

2006年の時給20ドルから順調な右肩上がりになっていることが分かります。

このやり方だと、現状では2006年からのデータしか見ることができないので、色々と調べてみたところ、以下のページだとさらに昔からの平均時給のデータ推移をチェックできました。

https://data.bls.gov/pdq/SurveyOutputServlet

1964年まで遡れますが、ここでは2000年から2018年の平均時給の推移を掲載します。

2000年から見ても、米国の平均時給は右肩上がりです。

2000年3月の平均時給は13.85ドルですが、18年後の2018年3月は22.46ドルと1.62倍になっています。

このペースでいくとすると、今から18年後の2036年にはアメリカの平均時給は36.38ドルとなります。

1ドル110円計算だと日本円で時給4,001円です。

アメリカに旅行に行くと、レストランだけでなく、スーパーで売っているようなお弁当やお菓子といった食材も日本よりもだいぶ高く感じます。

賃金が上昇すれば、それに連れて物価も上昇します。

「賃金も物価も上がらない日本」から「緩やかなインフレ(=物価高)が進むアメリカ」に行くと、物価上昇を感じざるを得ません。

さらに、円安が進むと、さらにアメリカの物価が高く感じます。

やはり、日本も2%前後の緩やかなインフレが必要だと思う昨今です。

物価が上がらないと企業の利益も増えないので給料も上がらないですし、緩やかなインフレを継続している国に旅行に行くと、自分が貧乏になったような気がしてしまいます・・・。

アメリカの時給に関するニュース(常時追記)

米国の時給推移を見ていくと、物価だけでなく賃金も上昇(インフレ)していることが分かります。

米国の時給推移に関しては、今後もこの記事で追記という形でウォッチしていきたいと思います。

米マクドナルド、直営店の時給10%引き上げ 人手確保: 日本経済新聞(2021年5月14日)

米マクドナルドは13日、米国の直営店で働く従業員の時給を今後数カ月で平均10%引き上げると発表した。米景気が急回復するなか、ファストフード業界は求人難に直面している。マクドナルドは直営店の時給を段階的に引き上げ、2024年までに平均15ドル(約1640円)になるとの見通しを示した。

米国の直営店数は全体の店舗数の5%で、時給引き上げの対象は約3万6500人。同社は95%にあたるフランチャイズチェーン(FC)店に対しても時給の引き上げを推奨しているという。夏季の繁忙期を見越し、今後3カ月間に直営店向けで1万人の追加雇用に踏み切ることも発表した。

時給引き上げ後は店員の初任給が11~17ドル、店長の下で従業員やサービスなどの管理を担当するシフトマネジャーの初任給も15~20ドルになる。

米バンカメ、最低賃金25ドルに上げ 人手確保・格差是正: 日本経済新聞(2021年5月19日)

米銀大手のバンク・オブ・アメリカは2025年までに米国の従業員の最低賃金を時給20ドル(約2180円)から25ドルに引き上げると発表した。主に銀行の支店の窓口で働く従業員が対象になるとみられる。待遇を改善して長期的に人手を確保する。銀行界では、本社勤務のエリート層と支店の従業員の給与格差も問題視されており、格差是正の狙いもある。
バンカメはここ数年で段階的に最低賃金を引き上げてきた。時給ベースで19年に17ドル、20年に20ドルとしてきた。

米経済の回復一段と 地区連銀報告、物価上昇を警戒: 日本経済新聞(2021年6月3日)

景気回復に伴い雇用は着実に増えた一方、人手不足も鮮明だ。企業からは「異常なほど労働者を見つけるのが難しい」(ボストン地区の製造業)との声もあがった。低賃金労働者や運転手、専門技能を持つ労働者の採用が難しく、求人が埋まらず需要増に応じて増産できなかったり、時短営業に追い込まれたりする企業が出ている。

人手不足で賃金上昇圧力も強まっており、「時給14ドル(約1500円)でも未熟練労働者の求人が埋まらない」(ダラス地区の製造業者)といった例も聞かれた。より高い賃金や適職を求めて転職する人も増えており、ニューヨーク地区では、主要産業の相当数の企業が賃上げを計画しているという。

先進国、目立つ人手不足 求人増でも採用進まず: 日本経済新聞(2021年7月31日)

「契約すればボーナス1500ドル」。米西海岸のシアトル郊外で6月に開業した食品スーパーで求人募集とともにこんな掲示が出た。時給は16ドル90セントから。13ドル台のワシントン州の最低賃金を上回る。店員は「最低賃金より少し高いぐらいでは働き手がなかなか見つからない」と話す。

新型コロナ: 米雇用7月94万人増、回復続く 量的緩和縮小開始へ前進 : 日本経済新聞(2021年8月6日)

ケンタッキー州のあるレストランは時給16ドル(約1800円)を提示しても応募者がゼロだった」(セントルイス地区連銀)。5月の雇用動態調査をみると、求人件数は前月から1万6000件増の920万9000件と3カ月連続で過去最高を更新。対する採用数は592万7000人と8万5000人減った。コロナの感染リスクのある低賃金の仕事は敬遠されがちで、条件のミスマッチが雇用回復の足を引っ張る。

人手不足、「レジ無し店」期待: 日本経済新聞(2021年9月9日)

時給15ドルから。経験に応じて上乗せします」。ニューヨーク中心部、マンハッタンの高級食品スーパー「ホールフーズ・マーケット」にはレジ前など店内の至る所に求人募集が掲げられている。店員の1人は「ずっと募集しているがなかなか集まらない」とぼやく。

テキサス州 先進企業流入: 日本経済新聞(2021年10月12日)

テキサスの時給(中央値)19.06ドル(全米30位)

アマゾン、純利益半減 7~9月、人件費・輸送費かさむ: 日本経済新聞(2021年10月29日)

売上原価や物流網の整備にかかる費用の増加も目立った。米国などで拠点の拡張を続けているが、労働市場では需給のミスマッチが深刻になっており「企業が働き手を求めて競争した結果、賃金が上昇し、報奨金の支払いも増えた」(オルサブスキー氏)。
米国のアマゾンでは梱包や配送業務に携わる従業員の平均的な最低時給が18ドルを超えており、シフトに応じて1時間あたり3ドルを追加で払っている地域もある。

2021年11月26日にYouTubeにアップされた動画ですが、コロナ禍から経済が回復するアメリカでは人手不足で時給(人件費)が上がっているという内容のニュースでした。

以下に動画の内容をざっくりとまとめます。

ウェイトレスの時給は1500ドルくらいで、チップと合わせると時給25ドルくらい。

ニューヨークの最低賃金は15ドル(約1700円)。チップ込みで時給3000円近くになる人も。

レストランの皿洗いが時給15ドルじゃ見つからないから、17〜18ドルになる。

板前も以前は時給2000円くらいの人が2500円になっている。

さらに40時間を超えると時給が1.5倍になるので、時給が高い人では40〜50ドルになっている。

ニューヨーク週の法律によって週40時間を超えた分の時給は元の1.5倍になる。

アメリカは20年以上、物価と人件費を上げながら経済成長を果たしてきた。

Apple、米国で時給2800円に 店舗で労組結成の動きも: 日本経済新聞(2022年5月27日)

米アップルが米国の店舗などで働く従業員の最低時給を22ドル(約2800円)に引き上げることがわかった。

「アップルストア」などで働くスタッフの時給は22ドルからとなり、2018年の水準と比べて45%上がるという。地域の賃金水準に応じて、さらに増やす場合もある。

インフレが定着するなかで、賃金の上昇圧力も強まっている。ニューヨークなど一部のアップルの店舗では、最低時給30ドルを実現するため労組の結成をめざす従業員も出始めた。こうした動きに対応する措置とみられる。

Appleにも労働組合結成の波 インフレも背景: 日本経済新聞(2022年6月19日)

ニューヨーク・グランドセントラル駅などにあるアップル店舗でも労組結成に向けた動きが進んでおり、一部の従業員は最低時給の30ドル(約4000円)への引き上げなどを求めている。

アップルは店舗で働く従業員の最低時給を20ドルから22ドルに引き上げるなど組織化の広がりを食い止めようと懸命だ。だが、米国内に約270あるアップルの直営店のうち20を超える店舗の従業員が組合結成に関心を示しているとの報道もある。

2021年9月期の世界の従業員数は約15万4000人で、従業員の年収の中央値は6万8254ドル(約920万円)だった。歴史的なインフレ下で賃金上昇が物価上昇に追いつかず、米国内の店舗で働く従業員の一部は待遇への不満を強めている。

米Uber運転手、3割増500万人 インフレで時給4900円も: 日本経済新聞(2022年8月3日)

「米国でライドシェアに専念する運転手は1時間あたり37ドル(約4900円)を稼いでいる」。ウーバーが2日に開いた2022年4~6月期の決算説明会。

米調査会社のYipitDataによると、ウーバーの1回の乗車あたりの料金は22年4~6月に全米平均で20ドル95セントとなり、データが確認できる17年以降で最高を更新した。乗客から受け取るサービス料金の7割前後は運転手に配分されるため、ギグワーカーの実入りも増えている。

米国の失業率は約50年ぶりの低水準で、労働市場の需給逼迫は続いている。ウーバーのアプリに運転手が集まる理由は高収入だけではない。生活費が高騰するなか、定職に就きながら副収入を得ようとする人々の動きがギグワーカー人気に拍車をかけている側面がある。

カリフォルニア州のファストフード、最低時給3000円台も: 日本経済新聞(2022年9月7日)

米西部カリフォルニア州で州内のファストフード店従業員を対象に最低賃金を現行の時給15ドル(約2140円)から最大22ドル(約3140円)までの引き上げを可能にする法律が成立した。ニューサム知事がレイバーデー(労働者の日)の5日に署名した。

12月の米利上げ幅、賃金インフレがカギに(NY特急便): 日本経済新聞(2022年11月2日)

「たった5分の面接で採用されたよ」。東部ペンシルベニア州フィラデルフィアで新規開店するすしチェーン店のウエーターのアルバイトに応募した地元大学生は驚く。時給は20ドル(約2960円)と同州の法定最低賃金7.25ドルを大きく上回る。同級生2人も紹介して採用されたので、紹介料として1人あたり500ドルのボーナスももらえるという。

バレンタインデー、インフレで支出増(NY特急便) – 日本経済新聞(2023年2月15日)

小売り大手ウォルマートは3月上旬から、米国の店舗で働く従業員約34万人の最低賃金を時給14ドルに引き上げる。同社は米国内で約160万人の従業員を抱える全米最大の雇用主で、他の小売企業に波及する可能性もある。

米Amazon、年末商戦で25万人雇用 平均時給3000円に – 日本経済新聞(2023年9月20日)

米アマゾン・ドット・コムは19日、年末商戦に向けて米国で25万人を雇用すると発表した。2023年は配達員や物流施設で働く人の賃上げに年間13億ドル(約2000億円)を投じており、年末には平均時給を20.50ドル(約3000円)に引き上げる。小売りや物流各社では人材獲得競争が激しく、待遇改善で人手を確保する。

米CNBCによると、配達や物流関連業務に携わる人の従来の平均時給は19ドルだった。今回は20.50ドルに引き上げ、過去5年間で5割以上の賃上げになる。一部では最大28ドルの場所もあるという。

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