2020年3日9日(月)、ドル円が前週末の1ドル105円台前半から101円台前半まで約4円も下落しました。
土日の週末で、アジアで蔓延していたコロナウィルスが欧米でも拡散し始めたということで、マーケットは一気にリスクオフに傾きました。
上のチャートはドル円の1時間足です。
ここ数年、年間値幅が10円弱というドル円で、1日で4円も動くというのは異常値です。
特に、日本時間の10時台に大きく下落しています。たった1時間で2.5円ほども下落しています。
これはフラッシュ・クラッシュ的な動きと言っても過言ではありません。
私はこのチャートを見て、「かなりの人のロスカットを巻き込みながら下落していったのでは?」と思いました。
しかし、後で日経新聞を見て、証券会社のトラブルがあったことを知りました。
2分で1円50銭急伸 コロナショック・市場ドキュメント:日本経済新聞(2020/3/9)
午前10時50分・東京 外国為替市場でも異変が起きる。円相場は午前10時48分からわずか2分間で1円50銭程度急伸し、1ドル=101円台を付けた。
きっかけの一つとみられているのが、ネット証券大手の楽天証券で発生したトラブルだ。30分弱にわたって株式や外国為替証拠金(FX)取引などの売買がしにくくなり、FXの顧客に強制的な損切り(ロスカット)も発生した。「102~103円台にあった個人のロスカットの円買い・ドル売りを巻き込んだ」(外為どっとコム総合研究所の神田卓也氏)ことが急な円高につながったとみられている。
楽天証券で10時台に30分弱に渡って売買しにいくトラブルがあったようです。
私はリアルタイムではチャートを見ていなかったのですが、2分で1.5円も下落したようです。これは恐怖です。多くのロスカットを瞬時に狩りにいった絵が思い浮かびます。
逆に、ドル円のSELLをしていたトレーダーは、トラブル解消後に大きく利益確定できたのではないしょうか。
楽天証券、取引に不具合「回線に異常」KDDIは否定:日本経済新聞(2020/3/10)
楽天証券で9日、株式や外国為替証拠金(FX)などすべての金融商品がほぼ取引できなくなる不具合が発生した。楽天は自社システムには問題なく、使用しているKDDIの主回線で異常が発生したためとしているが、KDDIは否定しており言い分が食い違っている。
楽天証券によると、午前10時50分から同11時までの約10分間、株式やFX、投資信託などの取引がほぼできなくなった。11時には副回線に切り替え徐々に取引ができるようになったが、正常化したのは11時18分だった。
この日は金融市場で急激な株安・円高が発生した。取引がしにくくなったことで損失が出た個人投資家も少なくないとみられる。楽天証券は、個人が資金を借りて株を買う信用取引の一部で、追加の証拠金差し入れ(追い証)の期限を延長したという。
楽天証券といえば、2016年6月24日のブレグジットの時にも不可解な動きをした記憶があります。
予想外のブレグジット(イギリスEU離脱)となり、リスクオフでドル円が大幅下落。
多くの証券会社が1ドル99円台まで下落したのですが、楽天証券だけ97円台まで下落して、楽天証券のトレーダーだけより多くのロスカットにかかってしまったという記憶です。
「FXでは楽天証券を使わない方がいい」と言うつもりはありませんが、私はFX専業でやっている会社を使った方がいいと思っています。
株やFXや銀行など、金融全般をやっている会社より、FXに特化した会社を使いたいと思っています。
今はXM(エックスエム)がしっくりきていますし、その前はこちらもFX専業のOanda Japan(オアンダジャパン)を使っていました。
なんとなくですが、FX専業の会社の方がシステムが強固なイメージがあります。
日本のFX業界はスプレッド競争が激しく、スプレッドが狭い会社が良い会社みたいな雰囲気がありますが、私はスプレッドの大小よりも狙った価格で約定できる方がずっと大事なことだと思っています。
あとは、強制ロスカットの恐怖を感じずにトレードできるので、スプレッドは広いけどレバレッジが大きい海外FX業者を使っています。
レバレッジ888倍の XM(エックスエム)を使えば、入金額に対して大きすぎるロットでエントリーしない限り、強制ロスカットはほぼなくなります。
詳細は以下の記事に書いた通りです。
話をドル円に戻しますが、数分で1円以上も為替レートが動くフラッシュクラッシュ的な動きの原因の1つにアルゴリズム取引が増えているということがあります。
人によっては、今の為替市場の8割はアルゴリズム取引と言う人もいます。
アルゴリズム取引、為替急変に拍車:日本経済新聞(2020/3/10)
コンピュータープログラムが売買を繰り返す「アルゴリズム取引」は株式市場で普及したが、為替取引でも伸びている。
仕組みは様々だが、例えば円を売ってドルを買っていた投資家が「前日の終値より何%の円高」「1時間以内に何%の円高」といったロスカット(損切り)のプログラムを組み、抵触すると反対売買を出すケースがある。今回は節目とされた1ドル=103円を突破したことで「ドルの投げ売りが出て円高が進み、さらなるドル売りを招く循環が生じた」(クレディ・アグリコル銀行の斎藤裕司氏)とみられている。
対ドルでみた円の値幅が19年まで2年連続で過去最小を更新するなか、機械取引も「変動率の低い相場」を前提にこまめに売り買いを繰り返して稼ぐ手法を学習してきた。9日のように過去のトレンドを外れる値動きがあると、この手法は通じなくなる。損失覚悟の処分売りが出て、相場の振幅を一段と大きくする方向に働きやすい。
コンピュータープログラム(アルゴリズム取引)は人間のように迷うことがないので、ある方向に大きく動き出したら、迷うことなく行き過ぎるくらい進んでしまうことがあるのでしょう。
ドル円の4時間のチャートです。
1時間足で見ると反発局面に見えましたが、4時間足では依然として下落が続きそうにも見えます。
1ドル100円を割る円高まで進行するのか?
オリンピックの延期や中止の報道がされたら、また一気に円高方面に動き出すような気がしています。
そういうアルゴリズムがすでに組まれているのではないしょうか・・・。