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【書評】80分でマスター! [ガチ速]決算書入門

80分でマスター! [ガチ速]決算書入門
80分でマスター! [ガチ速]決算書入門

今日から読んだ本の感想を書いていこうと思います。

主に、株式投資に関する本を今後たくさん読む予定なので、まずは基礎的な知識となる決算書の読み方を再学習しようと思い、「80分でマスター! [ガチ速]決算書入門」を読みました。

「80分でマスター」と書かれていますが、2回読んだのですが、1回目は9時間くらい、2回目で4時間くらいかかりました。

80分で読める人は決算書の知識がそれなりにあって、さらに速読ができる人だと思われます。

ただ、この本自体はすごく分かりやすく書いてあります。まさに決算書の入門書という印象を受けました。

本書は損益計算書(P/L)、貸借対照表(B/S)、キャッシュ・フロー計算書(C/S)の3つに分けて説明していますが、私は貸借対照表(B/S)についての知識が甘かったと認識できました。

ここからは、私が気になった箇所をメモ代わりに書いていこうと思います。

損益計算書(P/L)

決算書の3項目の中で損益計算書(P/L)は体感的に理解しやすい項目だと思います。

売上高
 売上原価
売上総利益
 販売費及び一般管理費
営業利益
 営業外収益
 営業外費用
経常利益
 特別利益
 特別損失
税引前当期純利益
 法人税、住民税及び事業税
 法人税等調整額
当期純利益

本書では損益計算書(P/L)には以下の5つの利益があると説明しています。

損益計算書の5つの利益
  1. 売上総利益(粗利)
  2. 営業利益
  3. 経常利益
  4. 税引前当期純利益
  5. 当期純利益

そして、損益計算書(P/L)には以下の5つの費用があるとしています。

損益計算書の5つの費用
  1. 売上原価
  2. 販売費及び一般管理費
  3. 営業外費用
  4. 特別損失
  5. 法人税、住民税及び事業税

私は人件費に関しては全て「販売費及び一般管理費」に計上されると思っていたのですが、以下のような場合は「売上原価」に計上されるというのは盲点でした。。

売上原価に計上される費用・人件費
  • 製造業の場合は工場で製品を作るのに必要な材料費のほか、工場を稼働させるための電気代や水道代、工場で働く人の人件費。
  • システム開発などの場合に、開発を外部の人に頼んだ場合の人件費。

また、本書ではヒト・モノ・カネにかかる費用として以下のように説明しています。

ヒトにかかる費用 商品を作る人 売上原価
商品を売る人 販管費
モノにかかる費用 材料費 売上原価
広告宣伝費 販管費
工場の賃料 売上原価
事務所の賃料 販管費
カネにかかる費用 支払利息 営業外費用

貸借対照表(B/S)

資産の部

お金の使い方が書かれている

負債の部

お金の集め方が書かれている

支払うお金

純資産の部

お金の集め方が書かれている

支払わなくていいお金

貸借対照表(B/S)は左に資産の部、右上が負債の部、右下が純資産の部で、左側に財産(お金の使い道)、右側にお金の集め方が書いてあり、左右の数字が同じ額でバランスするということまではシンプルなのですが、出てくる項目が多いのが個人的に難点に感じるところです。

資産の部

現金・預金

1年以内に現金化できる財産

現金化しにくい財産

負債の部

1年以内に支払う義務のあるお金

1年以上支払わなくていいお金

純資産の部

支払う義務のないお金

ここでは、今後のために自分が覚えておきたいと思った各項目をメモしていきたいと思います。

資産の部(左側)

流動資産は3つに分けられる
流動資産(1年以内に現金化できる)
当座預金
  • 現金:紙幣や硬貨などの通貨
  • 預金:銀行預金(普通預金や当座預金、満期1年未満の定期預金など)
  • 受取手形:取引の決済で受け取った手形(期限が来ればお金がもらえる)=売上債権
  • 売掛金:商品やサービスの代金でまだ受け取っていないもの(約束の期日に受け取れる)=売上債権
  • 有価証券:1年以内に満期が来る有価証券や短期売買目的の株式など
  • 貸倒引当金:売上債権(受取手形・売掛金)が回収できない(貸し倒れ)場合の損失を抑えるためにマイナスの資産として計上。売上債権に比べて貸倒引当金の比率が高いなら取引先からお金を回収できていない可能性あり。
棚卸資産
  • 商品:他社から仕入れたもの
  • 製品:完成済みの自社製品
  • 原材料:製品を作る原料や材料
  • 仕掛品:自社で製造している途中のもの
  • 所蔵品:未使用の消耗品
  • 未着品:決算日前に注文して決算日時点で届いていないもの
  • トラック在庫:決算日翌日に取引先に渡して売り上げるために決算日に積んだ商品
その他の資産 1年以内に現金化できる資産
  • 短期貸付金:返済期限が1年以内の取引先や仕入先などへの貸付金
  • 前払金:商品を受け取る前に支払う手付金や内金など
  • 前払費用:決算日以降に受けるまだ提供されていないサービスに対して支払われる費用(保険料や家賃など)
  • 未収金:有価証券の売却代金など本業以外の未回収のお金や、本業でまだ支払いを受けていないものから売掛金を除いたもの
  • 繰延税金資産:決算日以降に支払う法人税などを、決算日前に支払った税金の前払いのこと
固定資産は3種類ある
固定資産(1年以上現金化されない資産)
有形固定資産 目に見えて形がある資産で、会社が営業活動するのに長期間にわたって使うことを目的として購入し、保有される資産。土地以外の資産は取得原価から減価償却費累計額を控除した金額を書く。
  • 土地
  • 建物
  • 設備
  • 備品
  • 車両
無形固定資産 形はないものの価値がある資産
  • 借地権:土地を借りる権利
  • 特許権:新発明をした人に与えられる独占権
  • 商標権:文字や図形、色彩など結合体を独占的に使用する権利
  • 意匠権:デザインなどを独占的に使用する権利
  • 著作権:自分が創作した著作物を排他的に使用する権利
  • 実用新案権:ものの形や構造、組み合わせの考案を独占的に支配する権利
  • のれん代:ブランド力や信用力など目に見えない企業の収益力。他社を買収したときにはのれん代が計上される。
  • ソフトウェア:会計ソフトや給与ソフトなどパソコンで使用するソフトウェア
投資その他の資産 有形固定資産や無形固定資産に入らない1年以上現金化されず、長期に渡って使い続けられる資産。
  • 投資有価証券:投資目的ではない1年以上現金化しない株式や社債や国債などの有価証券。取引先と相互に持ち合う株式や満期まで保有する前提で購入した債券。
  • 子会社株式:会社を支配する目的で発行済株式の50%超を保有する株式
  • 関連会社株式:会社を支配する目的で発行済株式の20%〜50%以下を保有する株式
  • 出資金:信用金庫などへの出資金
  • 敷金・保証金:工場や事務所などを借りたときに支払うお金
  • 長期貸付金:返済期限が1年以上先の貸付金
  • 不渡手形:満期日になり支払いを求めたにも関わらず支払いを拒否された手形

※貸借対照表の「資産の部」は現金化しやすい(流動性が高い)ものが上に来る。

負債の部(右上)

流動負債(1年以内に支払う義務がある負債)
  • 支払手形:仕入れするときに商品や材料などを買った証拠として渡す手形。期日に手形に書かれた金額を支払う。=仕入債務
  • 買掛金:本業の営業活動に関する取引で購入したものの、まだ支払っていない代金。約束の期日に支払う。=仕入債務
  • 短期借入金:金融機関などの借入金のうち返済期限が1年以内のもの(銀行借入。関係会社や取引先、役員などからの借入、証書借入金、手形借入金、当座借越)※つなぎ融資にも使われる
  • 未払金:本業の営業活動での取引以外でまだ支払っていない代金。未払いの備品の購入代金など。
  • 未払費用:その1年間(その期)にかかった費用のうちのまだ支払期日が来ていないもの
  • 未払法人税等:法人税などのうちまだ支払っていないもの
  • 前受金:商品やサービスを提供する前に支払われた代金(商品やサービスを渡す義務があるために負債に入れられる)
  • 預り金:取引先や従業員などから一時的に預かっているお金。従業員の給料から天引きし、会社がまとめて支払う税金や社会保険料など。
  • 各種引当金:1年以内の支払いに備えて計上されるお金(賞与引当金、修繕引当金、返品調整引当金)

※貸借対照表の「負債の部」では支払い義務の強い順で並んでいる。

※支払債務とは商品や材料をツケで買ったもので、その代金を支払っていない状態。クレジットカードでの買い物など。

※流動負債は商品や材料を買ったときの支払いや、従業員の給料など会社の日々の運転資金として使われるのが一般的。

固定負債(1年以上返さなくていい負債)
  • 社債:会社が必要とするお金を借りるために発行する債券
  • 長期借入金:銀行などの金融機関から借りたお金で返済期間が1年超の借金
  • 退職給付引当金:退職給付金に備えて用意するお金

※固定負債は高額な設備の購入や新たな工場の建設、店舗の新規出店費用など設備投資に使われるのが一般的。

純資産の部(右下)

純資産は主に3種類ある
純資産(資産 – 負債)
株主資本 株主が出したお金と利益の貯蓄。
  • 資本金:株主が出してくれたお金。会社の財産の核となる部分で、株主が出したお金の50%以上を充てることになっている。株主がOKをしないと金額は変えられない。
  • 資本剰余金:株主が出してくれたお金のうち、資本金にしない部分。会社の業績が悪化した時に、資本剰余金から取り崩すことで会社の財産の核ともいえる資本金を減らさずに済む。資本金を守るクッション役となる。 → 資本準備金、その他資本剰余金
  • 利益剰余金:会社が事業で稼ぎ出した利益を積み立てた財産。株主に配当金を払った後に残った利益。内部留保とも呼ばれる。 → 利益準備金、その他利益剰余金
  • 自己株式:会社が投資家から買い取った自社の株式。株主資本が減るのでマイナス表示される。
評価・換算差額等 有価証券の購入時の価値と現時点の価値の差額など。
  • その他有価証券評価差額金:固定資産の投資有価証券の簿価と時価の差額
  • 土地再評価差額金:土地を購入した時の価格と時価との差額
  • 繰延ヘッジ損益:金融派生商品などの損益を繰り延べたもの
新株予約権 あらかじめ定められた価格で株式を取得できる権利。

キャッシュ・フロー計算書(C/S)

損益計算書(P/L)では会社の収益性や稼ぐ力が分かります。貸借対照表(B/S)では会社の安全性やお金の調達方法が分かります。そして、キャッシュ・フロー計算書(C/S)では、会社のお金の動きが分かり、成長性や将来性を判断する材料になります。

損益計算書(P/L)や貸借対照表(B/S)はやろう思えば粉飾可能ですが、キャッシュ・フロー計算書(C/S)に書かれるお金の動きはごまかしがきかない信頼性が高い決算書と本書では説明されています。

キャッシュ・フロー計算書のキャッシュとは?
  • 現金・預金:手元にある現金や請求すれば受け取れる現金
  • 現金同等物:すぐに換金できる価格変動リスクの小さい投資で3ヶ月未満の定期預金や公社債投資信託など
3つのキャッシュフローを足せば会社の1年間の現金の増減が分かる
営業活動によるキャッシュフロー
  • 本業でのお金の流れ
  • 本業でいくら稼いで、最終的にどのくらいのお金が手元に残ったのか分かる。
  • プラスが大前提で、ここがマイナスの会社は良くない。
投資活動によるキャッシュフロー
  • 設備投資と資産運用
  • 会社を成長・発展させるための設備投資(工場、機械類、設備類)
  • 手元にあるお金を有効活用する資産運用(株式などを買うのにかかったお金、売って得たお金)
  • ここがマイナスなのが成長する会社の条件
  • ここがプラスだと資金繰りが苦しくて資産を売ってお金に換えている可能性あり
  • ここだけ見ても会社の状況を判断するのは難しい
財務活動によるキャッシュフロー
  • 資金調達でのお金の出入り
  • プラスの場合は借金が増えている(成長のために投資しているなら良い借金、資金繰りが苦しいなら悪い借金)
  • マイナスの場合は借金の返済が進んでいる(借金返済が進んでいるなら良い兆候、借金返済に充てているなら自転車操業中)
  • ここだけ見ても会社の状況を判断するのは難しい

※キャッシュ・フロー計算書(C/S)は3つを組み合わせてトータルに判断することが大切。

※フリーキャッシュフロー(営業キャッシュフロー + 投資キャッシュ・ロー)は返済する必要のない自由な手元資金なので、設備投資や投資家への配当金、財務状況を改善するためにも使える。フリーキャッシュフローが多い会社ほど自由に使えるお金が多い優良な会社。

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