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【書評】グレートリセット後の世界をどう生きるか: 激変する金融、不動産市場

グレートリセット後の世界をどう生きるか: 激変する金融、不動産市場

2024年10月に出版された「グレートリセット後の世界をどう生きるか: 激変する金融、不動産市場」を読みました。

著者は不動産業界では有名な長嶋修さんです。

私は10年前(2015年ごろ)にマンションを買おうと思って、不動産に関する本をたくさん読んでいたのですが、その時に長嶋修さんの本も読んだ記憶があります。

ただ、長嶋修さんYouTube動画を最近見つけて、いくつか視聴してみたら、不動産の枠を超えた金融や経済の未来予測のような動画がたくさんありました。

たとえば、これとか。

これらの動画がきっかけで、最近書かれた本も読んでみたいと思い、この本を選んでみました。

不動産市場は三極化

コロナ前とコロナ後では資産価値があるものの価格は大きく変わりました。

たとえば、都心3区のタワーマンションは2倍以上になっています。

私が2019年秋に買おうか迷って結局買わなったヴァシュロン・コンスタンタンのホワイトゴールドの時計は当時は190万円台でしたが、今は3,608,000円と1.8倍ほどになっています。

私は車は運転しないので詳しくないですが、おそらく海外の高級車なども2倍くらいにはなっているのではないでしょうか?

2020年から2025年の5年間は高いものがさらに高くなるということを日々実感しました。

しかし、都心マンションに関しては、今年(2025年)の途中でピークを付けた感覚を感じてます。

個人的には来年以降はこの5年間と同じペースで値上がりするとは思いません。

むしろ、金利の上昇と共に、2億以上の部屋は動かず、販売主は少しずつ値下げせざるを得なくなると思っています。

現在2.5億ほどで売られている部屋を見ても、正直、2.5億円の価値は全く感じない部屋ばかりです。

10年前なら2.5億出せば、かなり条件の良い部屋が買えましたが、今は普通の部屋しか買えません。

本書では、今後の不動産市場は三極化するとし、上位15%は価格維持あるいは上昇、中位70%はなだらかに下落、下位15%は無価値あるいはマイナス価値になると説明しています。つまり、この10年で起きた現象が続くだけのことだと。

グレートリセット後の世界

グレートリセットとは既存の体制や価値観体系が崩壊し、新たな体制へと移行する歴史的な大転換のこと。

個人的に「おもしろな〜」と思ったのが、グレートリセットが起こると、既存の年金制度や生活保護は廃止となりベーシックインカム一本に統一されるという予想です。

ベーシックインカムの金額にもよりますが、仮に月13万ほどもらえるとしたら、地方で低コストで暮らしている人の中には、あえて働かないを選ぶ人が出てきて、ボランティアをしたり、趣味を楽しんだりする人が出てくるのではないかと。

カップルで同棲すれば月26万なので、正社員として働かない選択肢を取る人はいるでしょうね。

ただ、年金制度や生活保護は廃止となりベーシックインカム一本に統一ということが本当に起こったら、これはすごいことです。今までの常識が大きく変わります。

米ドルは基軸通貨であり続けられるのか?

米国が世界の覇権国家となっている理由の1つに米ドルが世界の基軸通貨であることがありますが、この基軸通貨の地位が危うくなっていると本書では説明されています。

  1. 1944年、ブレトンウッズ会議で「ドルを世界の基軸通貨とする」「ドルの裏付けとして、金(ゴールド)1オンス=35ドルとする」と取り決める。日本円は1ドル360円の固定相場。
  2. 1971年、アメリカは「ゴールドとドルの兌換(交換)を停止する」と発表。(ニクソン・ショック)
  3. お金の価値の裏付けはなくなったが、世界の金融システムが何となく回ることが確認された時、お金は単独で価値を持つようになった。
  4. 1973年、変動相場制へ。ここからお金の中における、ドルの相対的価値の下落が始まる。
  5. 2024年6月8日、1974年から50年続いてきた「オイルダラー(ペトロダラー)体制」が更新されずに終了。サウジアラビアは米ドル以外の通貨でも石油を販売することに。ゴールドだけでなく石油の裏付けもなくなる。

BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)では「The UNIT」という新通貨の発行が計画中だそうです。

このように、本書では不動産だけでなく、経済や金融に関する知識を幅広く学べます。著者の知識の広さにビックリしてしまいました。

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