FXトレード実践研究ブログ

「海外FX証券=ハイレバ=危険」ではない理由、ハイレバレッジで小ロットなら逆に強制ロスカットされにくくなり安全、拘束される資金も少なく済む、けっこう皆さん勘違いされていますがFXを始める前に知るべきことです。

世の中にはなんとなく「海外のFX会社はハイレバレッジだから危険」というイメージがあります。

私自身も自分でFX取引をやるまでは「ハイレバ=危険」というイメージをなんとなく持っていました。

しかし、日本のレバレッジ25倍の「Oanda Japan(オアンダジャパン)」と海外のレバレッジ888倍の「XM(エックスエム)」の両方でトレードしてみて思ったことは、「海外FX証券=ハイレバ=危険」ではないということです。

「ハイレバ=危険」という認識は完全な間違いです。

正しい認識は「ハイレバ&大ロット=危険」です。

大きなロット(=枚数)でトレードするから危険なんです。

これはレバレッジ25倍の日本のFX会社でも同じです。

つまり、「低レバ&大ロット=危険」も同じように成立するということです。

むしろ、「低レバ&大ロット(=日本のFX会社)」の方が「ハイレバ&大ロット(=海外のFX会社)」よりも強制ロスカットラインにかかりやすくなる(=入金した資金を溶かしやすくなる)ので危険度は増します。

なんとなく、「低いレバレッジ=安心」「高いレバレッジ=危険」というイメージがあるかもしれませんが、FXの場合、レバレッジが高いか低いかだけでは危険(リスクが大きい)かどうかは判断できません。

つまり、レバレッジ25倍でも888倍でも、これだけでは危険かどうかの判断はできないということです。

問題はエントリーするロット(枚数)の大きさです。

ロット(枚数)とは上の画像の青い四角で囲った数値です。

私が利用しているXM(エックスエム)のスタンダード口座では0.01から50.00まで入力可能です。

後で詳しく説明しますが、「レバレッジ倍率 × 入金額」であなたが「外貨取引できる額」の大きさが決まります。

この「外貨取引できる額」に対して、大きすぎるロットでエントリーすると危険な状態となります。

ロット(枚数)を大きくすると、想定道りに為替レートがちょっと動くだけで数万円の含み益が出ますが、想定とは逆に為替レートが動くと含み損が大きくなります。

つまり、ロット(枚数)を大きくすればするほどハイリスク・ハイリターンになるということです。

金儲けに目がくらんで、身分不相応な大きなロットでエントリーすることが危険への入口となります。

そして、FX取引の危険とは「想定とは逆に為替レートが大きく動いて強制ロスカットにかかってしまい、入金した資金をほぼ全て溶かしてしまう」ということです。こうなるとゲームオーバーです。

私の友人はリーマンショックの時に、想定とは逆に為替レートが瞬間的に大きく動き、強制ロスカットされて150万円の入金額を全て溶かしてしまいました。(入金した150万円が0円になってしまった)

これがFX取引における避けなければならないこと(=危険)です。再度資金を入金しない限り、ゲームオーバーで退場になるのですから。

私の友人は150万円を失ったことで落胆し、その後、二度とFXをやることはありませんでしたが・・・。

なんとなくレバレッジ25倍の日本のFX会社の方が安心というイメージがあるかもしれませんが、同じ入金額とロットなら「強制ロスカットにかかりづらくなる」という意味でレバレッジ888倍の海外FX会社の方が安心です。

さらに、レバレッジが大きい方が拘束される資金(=口座に入金する額)も少なくて済みます。

今回はこれについて実例付きで詳しく解説したいと思います。

FXをやるなら、ここに書くことはまず最初に知るべきことです。実際にトレードする前に知っておくべきことです。

けっこう、皆さん「海外FX証券=ハイレバ=危険」と勘違いや誤解されている方も少なくないようです・・・。

前提)FXの損失は「損切り」と「強制ロスカット」の2種類のみ

まず、大前提としてFXで損失を出すパターンは以下の2種類しかありません。

FXでの損失は2種類
  • 損切り・・・自らポジションを決済(=自分の意思で損失を確定。自分のトレードのミスを認め、損失が少ないうちに早期にポジションを解消。)
  • 強制ロスカット(ロスカット)・・・FX会社によってポジションを自動的に強制決済

強制ロスカットは「強制」を省いて単に「ロスカット」と言う人もいます。つまり「強制ロスカット=ロスカット」となり、同じ意味で使われます。

なぜ、強制ロスカットされるのか?

それは入金した額以上の損失を追わないためです。

強制ロスカットがあることによって、損失が返済可能額内(=入金額)に収まるということです。

ただし、国内のFX会社の場合は追証(入金額では足りないので損失を返済するために追加で入金する)が発生する場合があります。

海外のFX会社では追証はありません。つまり、海外のFX会社の場合、「入金額=損失する最大の額」ということです。

この違いは意外と大きいです。

いずれせよ、FXの損失とは「損切り」「強制ロスカット(ロスカット)」のみです。

トレード上級者は「損切り」を上手に使い、損失を最小化しながらトータルの利益を増やしていく傾向があります。

FXで退場してしまう人(=資金を溶かしてしまう人)はほぼ100%が「強制ロスカット(ロスカット)」によるものです。

逆から見ると、FXでは「強制ロスカット(ロスカット)」にかからない限り生き残ることができると見ることもできます。

そのためには、強制ロスカットにかかってしまうルールを知り、それを避けるための環境づくり(準備)から始めることが重要になってきます。

準備1)自分が最大で使える「外貨取引可能額」を知る

まずは、自分が使うことができる「外貨取引可能額(=外貨取引できる額)」を知ることからすべてが始まります。

これすら意識せずにトレード開始してしまう人もいるようですが、自分が最大で使える「外貨取引可能額」を知ることから、強制ロスカットを避ける道が始まります。

「外貨取引可能額」の計算方法は以下の通りです。

外貨取引可能額の計算方法
外貨取引可能額 = 入金額 × レバレッジ倍率

たとえば、日本のFX会社に100万円を入金したとします。日本のFX会社のレバレッジは25倍までと規制で決まっているので、このケースでは「外貨取引可能額」は2500万円ということになります。

100万円(入金額) × 25倍(レバレッジ) = 2,500万円(外貨取引可能額)

私が現在メインで使っているXM(エックスエム)のような海外のFX会社は、日本のレバレッジ25倍の規制を受けないので、もっと大きなレバレッジをかけることができます。

私は最大の888倍のレバレッジで、入金した額は20万円なので、「外貨取引可能額」は1億7760万円ということになります。

20万円(入金額) × 888倍(レバレッジ) = 17,760万円(外貨取引可能額)

1億7760万円という金額は、いまいちピンと来ないくらい大きな金額に感じる人が多いと思います。

私が入金した額はたったの20万円です。でも、FX取引で使える「外貨取引可能額」は888倍の1億7760万円です。これがレバレッジの力です。

図にすると上の画像のようになります。

日本のFX会社の方が5倍も多く入金しているのに、レバレッジが低いため「外貨取引可能額」は7分の1ほどになってしまいます。(2,500 ÷ 17,760 = 7.104)

上の画像だといまいち7倍の差が見えづらいので、「外貨取引可能額」を正方形で表してみます。

上図のように、海外のFX会社の方が箱(=外貨取引可能額)の大きさが圧倒的に大きくなっています。(今回のケースだと約7倍)

あなたのが金魚だったら、どちらの水槽で泳ぎたいですか?すぐにぶつかってしまう狭い水槽(=日本のFX会社)ですか?広々と泳げる広い水槽(=海外のFX会社)ですか?

窮屈な箱(=日本のFX会社)でFXをやるのか?大きさにゆとりのある箱(=海外のFX会社)でFXをやるのか?

強制ロスカットにかかりずらくなるのは、大きなゆとりのある箱の方です。

といっても、この外貨取引可能額いっぱいになるまで取引額(=ロット)を増やしてしまうと強制ロスカットにかかりやすくなるので、あくまで「外貨取引可能額」は「ゆとり」として考えます。

「ゆとり」は大きければ大きいほどいいので、日本のFX会社でもっと大きな「外貨取引可能額(=ゆとり)」を得たいなら、入金額を増やすしかありません。

なぜなら、日本のFX会社はレバレッジが25倍までと法律で規制がかかっているので、レバレッジをこれ以上大きくすることはできないからです。入金額で「ゆとり」を調整するしかありません。

ちなみに、私が日本のFX会社でトレードしていたときは300万円を入金してしました。よって、当時の「外貨取引可能額」は7500万円ということになります。

300万円(入金額) × 25倍(レバレッジ) = 7,500万円(外貨取引可能額)

これが先ほど、「レバレッジが大きい方が拘束される資金(=口座に入金する額)も少なくて済みます。」と書いた理由です。

日本のFX会社はレバレッジが最大25倍と低いので、「ゆとり」を確保するためにはそのぶん入金額を増やすことになるのです。つまり、口座内で拘束される資金も増えるということです。

逆に、レバレッジが大きな海外FX会社は拘束される資金が少なくて済むということです。

もし私の手元に300万円の自由に使える資金があったとしたら、今なら20万円をFX取引用として海外FX口座に入金し、残りの280万円は株式投資(現物取引)に使うと思います。

株式投資の場合、100単元から取引可能なので、株価3000円の銘柄なら最低でも30万円が必要です。(3,000 × 100 = 300,000)

280万円あれば9銘柄ほど買うことが可能(280 ÷ 30 = 9.33..)ですので、2〜3年後に株価が2〜3倍になりそうな銘柄探しをすると思います。

また、仮に強制ロスカットされて口座内の資金を全て溶かすようなことになってしまっても、海外FX会社なら20万円の損失で済みます。(私の入金額は20万円なので)

もし、300万円を入金していた日本のFX会社で強制ロスカットされるようなことがあったら、私はショックで数日は立ち直れないと思います。

これが私が日本のFX会社から海外FX会社のXM(エックスエム)に乗り換えた理由でもあります。(ちなみに、海外FX業者で私が信頼性が一番高いと思ったのがXMでした)

「資金を溶かすようなことが起きたとしても20万円の損失で済む」

この事実が「心のゆとり」を産みます。

FXだけでなく、投資活動はギリギリのところでやるとたいてい失敗します。。

何に挑むにせよ「心のゆとり」は必要なのですが、投資活動ほど「心のゆとり」がパフォーマンスに影響を与えるものはないと思います。

まとめると、レバレッジが大きな海外FXでトレードすることの明確な利点は以下の通りです。

レバレッジが大きな海外FXでトレードすることの明確な利点
  1. 拘束される資金(=入金額)が少なくて済む
  2. 仮に強制ロスカットされたとしても小額で済む
  3. 追証がない(入金額が損失の最大額)
  4. 外貨取引可能額が大きくなるので「心のゆとり」が生まれる
  5. 外貨取引可能額が大きくなった結果、強制ロスカットにかかりずらくなる

準備2)自分のエントリーの「外貨取引額」を知る

自分が最大で使える「外貨取引可能額」を知ったら、次は自分のエントリーの「外貨取引額」を知る必要があります。

つまり、「自分がどのくらいの金額の外貨取引をしているのか」を知るということです。

「外貨取引額」の計算方法は以下の通りです。

外貨取引額の計算方法
外貨取引額 = 為替レート × ロット(通貨数)

これも意外と盲点で、エントリーする時点で自分がいくらのマネーを動かすのかは意識しておいた方がいいと思います。

これを意識することで、身分不相応な大きすぎるロットでエントリーすることを防げます。

まず、ロットと通貨の関係を覚えます。これは丸暗記項目です。「0.1ロット=1万通貨」もしくは「1.0ロット=10万通貨」を軸に暗記するといいでしょう。

ロットと通貨の関係
  • 0.01ロット=1000通貨
  • 0.1ロット=1万通貨
  • 1.0ロット=10万通貨
  • 5.0ロット=50万通貨
  • 10.0ロット=100万通貨
  • 50.0ロット=500万通貨

たとえば、最小ロットである0.01ロットでエントリーする場合、0.01ロットは1000通貨なので、ドル円が1ドル108円の時にエントリーしたなら、10万8000円分の外貨取引を行っているということなります。

108円 × 1,000通貨(0.01ロット) = 108,000円(10万8000円)

別の言い方をすると「10万8000円分のドルを買った(BUYした場合)」「10万8000円分のドルを売った(SELLした場合)」ということです。

私の場合、ドル円は0.1ロット(=1万通貨)でエントリーすることが多いです。

このケースでは、1ドル108円のときの0.1ロット(=1万通貨)でエントリーするということは、108万円分の外貨取引をするということです。

108円 × 10,000通貨(0.1ロット) = 1,080,000円(108万円)

108万円分の外貨取引って、そこそこの金額ですよね?

先ほど、株価3000円の銘柄を買うには最低30万円必要と書きましたが、その3倍以上の金額です。

FXでは0.1ロットはどちらかと言うと低ロットと見なされていますが、それでも100万円もの外貨取引になるのです。

仮に、1ドル108円の時に1.0ロット(=10万通貨)でエントリーしたら1080万円もの外貨取引をすることになります。

108円 × 100,000通貨(1ロット) = 10,800,000円(1080万円)

以上をまとめると、ロットごとの外貨取引額は以下のようになります。分かりやすいように為替レートは1ドル100円にしています。

ロットごとの外貨取引額
1ドル100円でエントリーした場合・・・
  • 0.01ロット=1000通貨 → 10万円分の外貨取引(1,000 × 100 = 100,000)
  • 0.1ロット=1万通貨 → 100万円の外貨取引(10,000 × 100 = 1,000,000)
  • 1.0ロット=10万通貨 → 1,000万円の外貨取引(100,000 × 100 = 10,000,000)
  • 5.0ロット=50万通貨 → 5,000万円の外貨取引(500,000 × 100 = 50,000,000)
  • 10.0ロット=100万通貨 → 1億円の外貨取引(1,000,000 × 100 = 100,000,000)
  • 50.0ロット=500万通貨 → 5億円の外貨取引(5,000,000 × 100 = 500,000,000)

0.1ロットでエントリーしたら頭の片隅で「100万円分の外貨取引をしている」という意識を持っておきます。

ナンピンで再度0.1ロットで追加エントリーして保有ロットが0.2ロットになったら「外貨取引額が200万円に増えた」という意識を持っておきます。

そして、10ロットでエントリーすれば1億円の外貨取引になります・・・。

日本では資産5000万円から準富裕層、資産1億円から富裕層、資産5億円から超富裕層と言われますが、FXならレバレッジの力で1億円の外貨取引をやろうと思えば可能です。

このように、ロットの大きさと今の為替レートで、自分のエントリーの外貨取引額をしっかり把握することが重要です。

0.1ロットと言うと小さく感じますが、実際はドル円なら100万円ほどの金額で外貨取引をやっているのです。決して小さい額ではありません。

準備3)外貨取引可能額(=準備1)に対する外貨取引額(=準備2)が占める割合(%)を知る

準備1の「自分が最大で使える外貨取引可能額」と準備2の「自分のエントリーの外貨取引額」を知ったら、今度は両者を天秤にかけて、外貨取引可能額に対する外貨取引額が占める割合(%)を確認します。

計算方法は以下の通りです。

外貨取引可能額に対する外貨取引額が占める割合(%)
外貨取引額(為替レート × ロット) ÷ 外貨取引可能額(入金額 × レバレッジ) × 100

「%表示」にするために最後に100を掛けています。

レバレッジ888倍の海外のFX会社の場合

私の場合、海外FXの「XM(エックスエム)」では入金額が20万円でレバレッジ888倍だったので外貨取引可能額は1億7760万円でした。(20万円 × 888倍 = 17,760万円)

ロットの大きさは0.1ロット(=1万通貨)なので、ドル円が1ドル108円の時にエントリーしたら外貨取引額は108万円です。(108円 × 10,000通貨 = 1,080,000円)

外貨取引可能額が1億7760万円に対して、外貨取引額が108万円なので、取引可能額に対する外貨取引額が占める割合は0.6%です。

108万 ÷ 17760万 × 100 = 0.608…%

つまり、私の1エントリーの取引額は取引可能額に対して1%も使っていないということです。

それはつまり、すごく余裕をもってトレードしているということです。

これは、この条件でFX取引をしていれば、強制ロスカットラインまでの距離が非常に遠いので、まずもって強制ロスカットにかからないということを意味しています。

仮に、ロットを0.1から0.2に2倍にしても、外貨取引可能額に対する外貨取引額は1.2%(0.6 × 2 = 1.2)なので、こちらもまずもって強制ロスカットにかからないレベルです。

10倍の1.0ロットなら、外貨取引可能額に対する取引額の割合が6%(0.6 × 10 = 6)まで増えるので、ちょっと怖いですね。

3%以内におさめておいた方がいいというのが実感としてあります。つまり、この条件ならどんなに大きくても5倍の0.5ロット(0.6 × 5 = 3)までというのが私の今の基準値です。

レバレッジ25倍の日本のFX会社の場合

では次に、日本のFX会社に20万円入金して、0.1ロットでトレードした場合を計算してみたいと思います。

入金額とロットは海外FXと同じです。違うのはレバレッジのみです。

まず、外貨取引可能額は500万円です。(20万 × 25倍 = 500万円)

ドル円が1ドル108円の時にエントリーしたら外貨取引額は108万円です。(108円 × 10,000通貨 = 1,080,000円)

108万 ÷ 500万 × 100 = 21.6%

上記の計算から、取引可能額に対する外貨取引額は21.6%です。つまり、約1/4を使っているということです。

これだと強制ロスカットラインまでの距離が近くなり、強制ロスカットにかかりやすい状態になっているので、入金額を増やすかロットを小さくして余裕を作る必要が出てきます。

ただ、ロットを0.1よりも小さくすると、損失も少なくなりますが、利益も少なくなるので、ほとんど損しないけどほとんど儲からないという状態になります。よって、このケースでは入金額を増やすということになります。

まとめると、外貨取引可能額に対する外貨取引額が占める割合(%)を小さくすることで、強制ロスカットにかかりづらくなり、心のゆとりを持ちながらトレードすることが可能になります。

枠いっぱいに使わないということです。大きな枠のほんの一部を使ってトレードすることで危険を回避できるということです。

常に、自分のエントリー(=外貨取引額)が外貨取引可能額の中でどの程度の割合になっているのか意識しながらトレードをする(=資金管理をする)ことによって、強制ロスカットにかかる確率を減らすことができます。

実例1)証拠金維持率を常に確認する

長くなったので、ここで一旦、上記3つの準備をまとめます。

3つの準備
  1. 外貨取引可能額を知る → 入金額 × レバレッジ倍率
  2. 外貨取引額を知る → 為替レート × ロット(通貨数)
  3. 外貨取引可能額に対する外貨取引額が占める割合(%)を知る → 外貨取引額(為替レート × ロット) ÷ 外貨取引可能額(入金額 × レバレッジ) × 100

上記の準備(計算)は慣れれば頭の中でパパッとできてしまうのですが、面倒と言えば面倒です。

そこで、外貨取引可能額に対する外貨取引額の「ゆとり」を知る数字として「証拠金維持率」を参照します。

XM(エックスエム)」や「Oanda Japan(オアンダジャパン)」が採用しているFXプラットフォーム「MT4(MetaTrader4)」ならエントリー後に画面下部に表示されます。(表示されていない場合はメニューから「表示 → ターミナル」と選択)

ここからは実例となるので、私が行ったエントリーを使いながら説明します。

まずは、ロット数や含み損益によって「証拠金維持率」が増えたり減ったりするのを見てもらいます。

ドル円の5分足チャートです。

先日、私は上記チャートの青丸を付けたあたりで0.1ロットでSELLをしました。しかし、その後、私の狙いに反して為替レートは上昇してしまいました。

その結果、この時点では「損益計」は「-3650円」となっています。(青い四角)

そして、「証拠金維持率」が「28258.00%」となっています。(赤い四角)

日本のレバレッジ25倍のFX会社なら、こんなに大きな証拠金維持率にするには相当な金額を入金する必要があります。

ちなみに、「証拠金維持率」の計算は「有効証拠金 ÷ 必要証拠金 × 100」です。

342486(有効証拠金) ÷ 1212(必要証拠金) × 100 = 28257.92…(証拠金維持率)

さらに、「有効証拠金」は「残高 + 損益計 + クレジット計」で計算します。上記チャートでは以下のような計算になります。

219993(残高) – 3650(損益計) + 126143(クレジット計) = 342486(有効証拠金)

この「クレジット計」は入金に対するボーナスクレジットで、XM(エックスエム)独自のサービスです。

私は20万円を入金して12万6143円のボーナスクレジットを受け取りました。この12万6143円もトレードに使えるので、合計32万6143円でトレードをスタートできることになります。

残高(=入金額)に厚みができるので、そのぶん「外貨取引可能額(入金額 × レバレッジ)」にゆとりができて、強制ロスカットにかかりずらくなります。

日本のFX会社ではこういったサービスはないと思われます。

翌日、私は青丸を付けたあたりで0.1ロットでナンピンのSELLをしました。これで昨日のエントリーも合わせて合計0.2ロットになりました。

その結果、「証拠金維持率」が昨日の「28258.00%」から「14069.91%」に約半分に減っています。(赤い四角)

0.1ロットから0.2ロットに増えた結果、私の「外貨取引額(為替レート × ロット)」が増えたからです。

そして、私の狙い通り、ナンピンSELLのエントリー後にドル円は下落したので、2エントリー目は2890円のプラス(含み益)になっています。

ただし、1エントリー目のマイナスが大きいので、トータルでは-3670円の含み損状態です。

その後、ドル円はさらに下落していきました。

私の含み損も「-3670円」から「-1410円」に減り、「証拠金維持率」は少し増えています。

含み損が減ったり、含み益が増えると、そのぶんゆとりも増えるので、「証拠金維持率」は増えるということです。

ドル円はさらに下落し、1エントリー目の建値まで戻ってきました。

上でナンピンしたSELLエントリーはすでに青丸を付けたあたりで利益確定しています。

つまり、ロットは0.2から0.1に減りました。

さらに、1エントリー目の含み益が解消され、70円の含み益になった結果、「証拠金維持率」も昨日の「28258.00%」よりも「28872.34%」と少し増えています。

このように、保有するロット数や含み損益によって「証拠金維持率」は上下します。

ふと「1.0ロットでエントリーしたらどのくらいの証拠金維持率になるのだろう?」と思ったので、テスト的にエントリーしてみました。

ドル円5分足です。

三角保ち合いを上振れたところで、1.0ロットでBUYしました。

私は1.0ロットのような大きなロットでエントリーしたことがほとんどないので、心臓がバクバクでした。。

エントリーした時点での「証拠金維持率」は「2943.65%」です。

0.1ロットでエントリーした時の「証拠金維持率」は「28258.00%」だったので、ロットが10倍になったので「証拠金維持率」が1/10ほどになりました。

5分後、狙い通りドル円が上昇し、含み益(損益)が3000円になりました。その結果、「証拠金維持率」は「2943.65%」から「2969.29%」に増えました。

この後、+3300円で利益確定しました。

上記のように、エントリーしたら損益だけでなく「証拠金維持率」を常に意識します。

なぜなら、「証拠金維持率」の数値を見れば強制ロスカットされてしまうか?強制ロスカットまでの距離はどのくらいかを知ることができるからです。

実例2)強制ロスカットされてしまう証拠金維持率を知る

FX会社は証拠金維持率がここまで下がったら強制ロスカットを発動すると決めています。

その数値はFX会社によって変わってきます。

私が利用している「XM(エックスエム)」の場合、こちらのページに「20%以下」と書いてあります。

「取引口座の有効証拠金が必要証拠金の20%以下」と書いてありますが、「証拠金維持率」の計算は「有効証拠金 ÷ 必要証拠金 × 100」なので証拠金維持率のことを言っています。

つまり、「XM(エックスエム)」の場合、エントリー後に含み損がどんどん増えていき、「証拠金維持率」が20%以下まで減ってしまったら強制ロスカットが発動するということです。

先ほど、私のエントリーのロットごとの「証拠金維持率」は以下のようになりました。

私のトレードの証拠金維持率
  • 0.1ロット:28258.00%
  • 0.2ロット:14069.91%
  • 1.0ロット:2943.65%

上記のように20%とはほど遠い「証拠金維持率」となっています。

1.0ロットでエントリーしても20%の147倍の「証拠金維持率」を維持できています。(2943.65 ÷ 20 = 147.1825)

先ほど、「この条件でFX取引をしていれば、強制ロスカットラインまでの距離が非常に遠いので、まずもって強制ロスカットにかからない」と書きましたが、これは「証拠金維持率」が20%に比べて圧倒的に高いということです。

もし、私が50%前後の「証拠金維持率」でトレードしていたらドキドキだと思います。なぜなら、20%に近い、つまり強制ロスカットラインにかかってしまう距離が近いからです。

でも、実際の私のトレードは20%とはほど遠い「証拠金維持率」を維持しているので、ほとんど強制ロスカットのことを気にかけずにトレードできています。

FXではどんな上級者でも失敗します。失敗した時に自らの意思で「損切り」できれば問題ありませんが、損失を確定するのを嫌がり、ダラダラとポジションを保有し続けた結果、さらに含み損が増えてしまうということがよくあります。

そんな事態に陥ってしまったとしても、「強制ロスカットはされない」という状況が「心のゆとり」を作ります。

強制ロスカットが発動する「証拠金維持率」の数値(%)はFX会社によって異なります。

たとえば、私が以前使っていた「Oanda Japan(オアンダジャパン)」は「100%以下」でロスカットが発動するこちらのページに書いてあります。

強制ロスカットが発動する「証拠金維持率」は100%のところもあれば、50%のところもあり様々です。

これは最初に調べておくべき項目ですが、いくつか私の方でFX会社ごとの強制ロスカットが執行される「証拠金維持率」を調べてみました。

2020年4月時点
FX会社 ロスカットが執行される証拠金維持率
XM 20%以下
オアンダジャパン 100%以下
みんなのFX 100%以下
GMOクリック証券 50%以下
DMM FX 50%以下
外為ジャパン 60%以下
楽天FX 50%以下
YJFX 50%以下
SBI FXトレード 50%以下
マネースクエアFX 100%以下
じぶん銀行FX 100%以下
外為オンライン 20〜100%以下
新生銀行FX 50%以下
ジャパンネット銀行JNB-FX PLUS 4%以下

実例3)強制ロスカットされる為替レートの計算方法を知る

最後に、実際にどこまで為替レートが動いたら強制ロスカットされてしまうのか?を調べます。

つまり、強制ロスカットされる為替レートを自分で計算するということです。

過去に以下の記事で説明しているのですが、ここでもう一度、実例を見ながら実際に計算してみます。

FXロスカットレートの計算方法、強制ロスカットされる為替レートを知る方法 

2017年3月31日

強制ロスカットされる為替レートの計算方法は以下の通りです。

強制ロスカットされる為替レートの計算方法
◎BUYの場合
現在の為替レート – (余剰証拠金 ÷ 保有通貨数)

◎SELLの場合
現在の為替レート + (余剰証拠金 ÷ 保有通貨数)

<ロットと通貨の関係>

  • 0.01ロット=1000通貨
  • 0.1ロット=1万通貨
  • 1.0ロット=10万通貨
  • 10.0ロット=100万通貨

BUYの場合は「現在の為替レート」に引き算、SELLの場合は「現在の為替レート」に足し算です。

上のチャートは先ほどの「0.1ロットでSELLエントリーしたけど、狙いとは反してドル円は上昇してしまい、-3650円の含み損を抱えている状態」の時のものです。

この時に、この先どこまでドル円が上昇したら強制ロスカットにかかってしまうのかを計算してみたいと思います。

「現在の為替レート」は「1ドル107.947」です。

「余剰証拠金」は「341274」です。

ちなみに、「余剰証拠金」の計算方法は「有効証拠金 – 必要証拠金」です。

「保有通貨数」は0.1ロットなので「1万通貨」です。準備2の「ロットと通貨の関係」を思い出して下さい。

では、計算してみます。このケースはSELLエントリーなので「現在の為替レート」に足し算します。

107.947 + (341274 ÷ 10000)= 107.947 + 34.1274 = 142.0744

上記の計算からドル円が1ドル142.074まで上昇したら強制ロスカットにかかることになります。

ドル円が1ドル140円台の円安になることはまずないので、強制ロスカットにかかることもまずないと言えます。

上のチャートはナンピンSELLをした時のものです。ロットが合計で「0.2ロット(2万通貨)」になっています。

「現在の為替レート」は「1ドル108.114」、「余剰証拠金」は「342292」です。

では、こちらも計算してみましょう。

108.114 + (342292 ÷ 20000)= 108.114 + 17.1146 = 125.2286

上記の計算からドル円が1ドル125.228まで上昇したら強制ロスカットにかかることになります。

1ドル125円台なら、いつかここまで上昇することはあるかもしれません。

上のチャートは1.0ロットでドル円をBUYした時のものです。

1.0ロットなので保有通貨数は「10万通貨」、「現在の為替レート」は「1ドル107.359」、「余剰証拠金」は「343745」です。

では、こちらも計算してみましょう。今回はBUYなので「現在の為替レート」に引き算します。

107.359 – (343745 ÷ 100000)= 108.114 – 3.43745 = 104.67655

上記の計算からドル円が1ドル104.67655まで下落したら強制ロスカットにかかることになります。

これは十分にあり得る為替レートですね。

特に、今はコロナショック直後なので、ちょっとしたニュースで大きく為替レートが動き時ですから。

以上のように、強制ロスカットされる為替レートを自分で計算することが可能です。

ロットを大きくすればするほど、強制ロスカットラインまでの距離も短くなり、強制ロスカットされる為替レートも身近になるということです。

最後に)FXは強制ロスカットされなければ生き残れる、資金管理の重要性

FXは世間一般的にはリスクの高い投資行為と思われています。

友人に「FXをやっている」と言うと、「危険なことをやっているな〜」と思われたりします。

人によっては「ギャンブルみたいなことをしているな〜」と思う人もいるかもしれません。

なぜ、FXはリスクが高い、危険、ギャンブルみたいと思われるのか?

それは、口座に入金した資金を全て溶かしてしまう可能性があるからです。

ただ、入金額全てを溶かしてしまうような時は、ほとんどの場合、強制ロスカットされる時です。

つまり、FXの危険=強制ロスカットと言えます。

為替レートは年に1〜2度ほど、想定外に大きく動くことがあります。

直近だと、2019年1月3日のフラッシュ・クラッシュが記憶に新しいです。

上記チャートは2019年1月2日の夜から1月3日の朝にかけてのドル円5分足チャートです。

まさか新年早々、前日の夜は1ドル109円台だったドル円が、翌朝7時台に104円台まで一気に5円も下落するとは誰も思わなかったでしょう。

あなたがドル円のSELLをしていたなら大きく含み益が出ていたでしょうが、ドル円のBUYをしていた人の中には強制ロスカットされてしまった人も多かったと思います。

そもそも、上記のように一方向に一気に為替レートが動く動きは、強制ロスカットを巻き込みながら起こります。

強制ロスカットが一方向への動きを加速させているのです。

ドル円BUYの強制ロスカット(=決済)は反対売買なのでSELLになります。

BUYしていた投資家のエントリーが続々と強制ロスカット(決済)されて、SELL注文がたくさん出て加速度的に下落していったのです。

特に、昨今はAIによるアルゴリズム取引が盛んなので、動く時はハイスピードで一気に動きます。ハイスピードで一気に動くと、途中から強制ロスカットを巻き込みはじめるので、さらに加速します。

しかも1月3日の朝7時台ですから、多くの投資家は寝ていた時間帯だと思います。

起きたら口座の資金が全てなくなったいた・・・あれ、何が起こったの?・・・えっ!?ドル円が一気に5円も下落して強制ロスカットされちゃったの(涙)・・・という感じだったと思います。

実は私もこの時、ドル円のBUYをしていました。0.6ロットでBUYしていたのですが、強制ロスカットはされずに単に含み損が増えただけでした。

というのも、私は口座に300万円を入金していたので、資金的に余裕があったからです。もし、私の入金額が少なく、もっと大きなロットでエントリーしていたら強制ロスカットされていたかもしれません・・・。

このように、為替レートはいつ想定外の動きをするか分かりません。そして、24時間常に為替レートを見ていることもできません。

だからこそ、いつ予想外の動きをしたとしても強制ロスカットされない資金的な余裕を作っておく必要があります。

つまり、FXで退場しないためには、強制ロスカットされないように資金管理する必要があるということです。

そして、FXの資金管理は「入金額」「レバレッジ」「ロット(枚数)の大きさ」の3つで行います。

FXは強制ロスカットされない限り、生き残り続けることができます。

自分の意思での損切りで損失を出してしまうこともありますが、その後、生き残り続けてプラスを積み重ねていけば損失をカバーできます。

私も1年目に凡ミスで66万円ほどの損失を出してしまいましたが、その後も根気よくトレードを続けていき、2年後にはほぼトントンまでカバーできました。

エントリーの回数を重ねれば重ねるほど、技術は上達していくので、とにかく生き残り続けることが大切です。

生き残るためには、強制ロスカットされない「入金額」「レバレッジ」「ロット(枚数)」の調整、つまり資金管理が大事になっています。

今回の記事が参考になった場合は、以下の記事も読むとさらに理解が深まると思います。

FXで強制ロスカットを避けるために注意すべき5つのこと、入金額・レバレッジ・ロット数でコントロール、あとの2つは・・・

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【実例】レバレッジごとの証拠金維持率の違い、レバレッジが大きくなると証拠金維持率も増え、強制ロスカットまでの距離が遠くなる

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