現在、私は海外証券の「XM」を使っていますが、ここを選んだ理由は「MT4(MetaTrader4)」が使えるからです。
私がFXトレードを開始した去年の段階では、日本の証券会社でMT4が使える会社があることを知らず、海外証券に口座を開きました。
海外証券はレバレッジが日本に比べて大きい(XMなら最大888倍、日本は25倍)というメリットがありますが、その反面、税制的なデメリットがあります。(年収700万以上の人なら)
目次
海外証券の最大のデメリットは税金
海外証券の最大のデメリットは税金です。
そもそもですが、日本の税金は大きく分けると以下の2種類に分けることができます。
分離課税は確定申告が必要ない「源泉分離課税」と必要ある「申告分離課税」に分かれます。
たとえば、銀行預金の利息は「利子所得」となり「源泉分離課税」となるので、自分で税金を申告するのではなく、自動的に税金が引かれた額が振り込まれます。
「源泉」は「天引き」と読み替えられます。つまり、「源泉徴収」とは「税金の天引き」ということです。銀行の利息は税金が天引きされた金額が入金されますよね。
FXや株の利益は「キャピタル・ゲイン」なので、「申告分離課税」となり、確定申告で自分で申告し、自分で納税する必要があります。
「総合課税」と「分離課税」の最大の違いは「税率」です。
総合課税は所得税が5%〜45%の7段階に分かれ、住民税が一律約10%なので合計15%〜55%となります。
総合課税は累進課税なので、所得が多い人ほど税率は上がります。
一方、分離課税の税率は一律20.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%(15%×2.1%)+住民税5%)です。
どんなに会社の給料が高い人でも、株やFXで儲かった利益に対しては、たったの20.315%しか税金がかからないのです。
しかし・・・これは国内証券会社においてであり、海外証券では総合課税の「雑所得」になってしまうのです。
つまり、累進課税の枠組みの中に利益が入ってしまうということです。
年収1000万円ある人が海外証券のFXで年間500万円の利益を出したら、1500万円に対して税金が課税されます。
累進課税なので、課税所得が上がるほど税率も上がります。
つまり、海外証券の場合の、儲かって所得が増えても、税率が上がって税金も増えてしまうのです。
国内の証券会社なら、会社の給料とは別枠で一律20.315%で課税されるのに。(分離課税)
これが海外証券を使う一番のデメリットであり、マイナス点です。
ただし、これに当てはまらない人もいます。それは、本業の収入が低い人や無職の人です。
元の収入が低い人で、FXでの年間収入も330万円以下なら海外証券の方が税率が20.315%よりも低くなる場合もあります。
つまり、日本ですでに所得が高い人なら、海外証券を使うと税金面でかなり損をするということです。
控除額を含めた私の計算だと年収700万円くらいが1つのラインになると考えています。
日本で所得が低い人なら、レバレッジが高いぶん海外証券の方がいいかもしれませんが、FXでかなり稼げるようになると税率も累進課税でどんどん上がり、手元に残る比率が低下していきます。
ただし、最初に触れたように、日本ではレバレッジが25倍しかありません。
一方、海外証券で有名なXMのレバレッジは最大888倍です。
レバレッジが大きい分、強制ロスカットに合う確率は減らすことができます。
少ない資金しか用意できない人なら、レバレッジが大きいほど強制ロスカットに合う確率が減ります。
資金が少ない人で、日本の証券会社でFXをすると、強制ロスカットに合う確率が増えます。
なので、現時点で本業の収入が少なく、FXで運用できる手元資金も少ない(100万円以下)なら、レバレッジが最大888倍のXMのような海外証券を選んだ方がいいケースもあります。
特に、XMの場合、口座開設で3000円受け取れるだけでなく、入金ごとに20%のボーナスクレジットが受け取れるというメリットがあります。
これは意外とバカにできません。
というのも、10万円入金すれば2万円、100万円入金すれば20万円のボーナスクレジットが受け取れ、このボーナスクレジットもFXのトレードに使えるからです。
私は70万以上のボーナスクレジットを受け取りました。
手元資金が厚くなるぶん、強制ロスカットにかかる確率を減らせるので、心理的に追い込まれずにトレードに取り組むことが可能になります。
海外証券は3年間の損益通算ができない
また、海外証券の場合、日本の証券会社でできる3年間の損益通算ができません。
上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除|所得税|国税庁
国内証券なら、過去3年に遡って利益と損失を損益通算できますが、海外証券ではこれができません。
私は去年、70万ほどの損失を出しましたが、今年仮に500万の儲かっても、この500万円に対して税金がかかります。
もし、日本の証券会社なら損益通算でき、430万円に対して課税されたことになります。
ただ、これからFXを始めようと思っている人は、負ける前提で始めるワケではないと思うので、勝つことだけにフォーカスしている人にとっては、この部分はあまり気にならないかもしれません。
勝てばいいだけという話です。
私も最初は気になりませんでした。それよりも、海外証券のレバレッジが大きいことにメリットが感じました。
XMは日本では無登録業者
私が使っている海外証券の「XM」は日本では無登録業者です。
そもそも、日本に拠点を置いていない金融業者は日本では登録できないので、これは当たり前と言えば当たり前なのですが。
また、あえて無登録業者を選ぶことで、レバレッジ25倍の規制を受けずに運営できるという点もあります。日本で登録業者になってしまうと、レバレッジ25倍の規制を守らないといけなくなるからです。
私としては、「XM」はサポートもしっかりしているし、入金や出金も早いので信頼のおける会社という認識ですが、日本には拠点がないので金融商品取引業の届け出は出せません。よって、日本では無登録業者という扱いです。
NDD(No Dealing Desk)の証券会社を使いたい
私が「XM」を選んだ主な理由は以下の2点です。
- MT4が使える
- NDD(No Dealing Desk)
去年の段階では、私は国内でMT4が使えるFX証券会社があることを知りませんでした。でも、今は数社で使えることが分かっています。
さらに、私にとって重要なのが「NDD(No Dealing Desk)」の証券会社を使いたいということです。
日本の証券会社では「DD(Dealing Desk)」が一般的で、「NDD(No Dealing Desk)」は少ない印象です。
証券会社内に「DD(Dealing Desk)」があると、ディーリングルームで人間の手が加わるので、利用者(トレーダー)にとって不利な取引が起こる可能性が存在します。
「DD(Dealing Desk)」は利益相反(一方の利益になると、同時に他方への不利益になること)の可能性が存在してしまいます。
たとえるなら、パチンコです。パチンコ屋は客が儲かるほど店は儲かりません。
そして、トレーダーは「DD(Dealing Desk)」内でのやり取りを確認できないので、透明性は低いと言えます。
2016年年6月にイギリスでUE離脱(ブレグジット)が起こりましたが、この時にドル円は1ドル99円まで急落しました。
しかし、日本で有名な○○証券(あえて名前は伏せます)では1ドル97円を付け、多くの人が強制ロスカットされました。
逆に、「NDD(No Dealing Desk)」ならカバー先であるインターバンクに直結なので、人間の手が入ることがなく、完全自動処理されます。
「NDD(No Dealing Desk)」の方が利用者であるトレーダーにとっては、透明性が高い構造ということです。
また、「NDD(No Dealing Desk)」にはECN(Electronic Communications Network)とSTP(Straight Through Processing)の2種類あり、最初にECNができて、STPはECNの弱点を補ったものです。
「NDD(No Dealing Desk)」と「DD(Dealing Desk)」の違いは、以下の記事を読むと理解できると思います。
- NDD方式とDD方式の違いとは? – ザイFX!×メタトレーダー(MT4)(2013年10月22日)
- 一部のネット界隈で囁かれている「ストップ狩り」とはどういうことか?|FXの知られざるナゾの世界 – ザイFX!(2009年06月01日)
- あなたは経験したことがありますか?怪しいスリッページやレートずらしを…|FXの知られざるナゾの世界 – ザイFX!(2009年06月18日)
- FX、価格の透明性は業者間で差?:日本経済新聞(2011/7/24)
- FX、銀行との直接取引広がる 最良のレート採用:日本経済新聞(2013/9/18)
- 【6.24】楽天FXで退場した奴こい。【特にUSD/JPY】 [無断転載禁止]©2ch.net
MT4が使える日本国内のFX証券会社(2017年2月現在)
というわけで、私は「日本国内の証券会社」「MT4が使える」「NDD(No Dealing Desk)」という3つの条件で証券会社を乗り換えることを検討しています。
とりあえず、MT4が使える国内証券業者をピックアップしてみました。
FX会社 | 私が利用していた証券会社 OANDA Japan |
FOREX.com | FXTF | 外為ファイネスト | 楽天MT4口座 |
---|---|---|---|---|---|
スプレッド | USD/JPY:0.4 EUR/USD:0.5 EUR/JPY:0.7 |
USD/JPY:1.5-3.0 EUR/USD:1.7-2.7 EUR/JPY:1.9-5.6 |
USD/JPY:0.3 EUR/USD:0.8 EUR/JPY:0.6 |
USD/JPY:0.4-1.2 EUR/USD:0.4-1.0 EUR/JPY:0.5-1.6 |
USD/JPY:0.5 EUR/USD:0.6 EUR/JPY:1.1 |
取引方法 | NDD(STP) | DD(Dealing Desk) | DD(Dealing Desk) | NDD(STP) | DD(Dealing Desk) |
サーバー | ニューヨーク 東京 |
米国 | 国内 | 国内 | 国内 |
信託保全 | 三井住友銀行 | ドイチェ信託株式会社 | 日証金信託銀行株式会社 | 三井住友銀行 | 三井住友銀行 |
自己資本比率 | 610.3% (2016年11月) |
660.1% (2016年9月) |
418.1% (2017年1月) |
396.4% (2016年12月) |
472.5% (2016年12月) |
国内住所 | 東京都千代田区麹町3-6 住友不動産麹町ビル3号館 4F | 東京都中央区日本橋室町4-4-10 東短室町ビル 3F | 東京都港区三田2-11-15 三田川崎ビル 4F | 東京都千代田区丸の内2-2-2 丸の内三井ビルディング | 東京都世田谷区玉川 1-14-1 |
設立・日本社名 | 1996年(アメリカ) 2004年(日本・OANDA Japan株式会社) |
1999年(アメリカ) 2009年(日本・ゲインキャピタル・ジャパン株式会社) |
2006年(日本・株式会社FXトレード・フィナンシャル) | 1999年(日本・外為ファイネスト株式会社) | 1999年(日本・楽天証券株式会社) |
グループ会社の拠点 | 米国、シンガポール、カナダ、英国、香港、オーストラリア、インド | 世界180ヵ国 | 日本 | 香港、東京、台北、シドニー、オークランド、ロンドン、ドバイ | 日本 |
こうやって見てみると、3つの条件全てを満たすのは「OANDA Japan」と「外為ファイネスト」だけとなります。
というわけで、まずは「OANDA Japan」で口座開設をしてみて、実際にトレードしてみて乗り換えるかどうかを決めてみたいと思います。
Oanda Japan(オアンダジャパン)口座開設・MT4用のアカウト作成・入金・トレード開始までの流れ
「OANDA(オアンダ)Japan」の口座開設からトレード開始までの一連の流れを以下の記事にまとめていますので、もしよかったら参考にして下さい。
↑口座開設について。
↑「MT4(MetaTrader 4)」を使うためのサブアカウント(サブ口座)には「NYサーバー」と「東京サーバー」がありますが、両者の違いについて。
↑「MT4(MetaTrader 4)」を使うためのサブアカウント(サブ口座)を作る手順。
↑作ったサブアカウント(サブ口座)に入金すれば、トレード開始です。
↑「NYサーバー」のアカウトから「東京サーバー」のアカウントに資金を移動。