2009年3月に出版された「史上最強の投資家 バフェットの財務諸表を読む力 大不況でも投資で勝ち抜く58のルール」を読みました。
先日読んだ「バフェットの教訓」に続くバフェット本2冊目です。
著者は「バフェットの教訓」と同じメアリー・バフェットとデビッド・クラークですが、本書では財務諸表(損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書)を読む上で知っておくべきことが具体的に書かれています。
古い本ですが、ファンダメンタルズ分析について他の本にはない視点をたくさん学べました。
バフェットの師匠であるグレアムは株を長期保有する気がなく、2年で株価が上がらなければ手放してしまったそうです。
しかし、バフェットは競合他社に対する長期的競合優位性を持つ企業には、とてつもない富を創出する経済性が潜んでいて、そのような企業の株を長く保有することで大きな利益が株主に転がり込んでくるという師匠が見逃していたことに気づきました。
ビジネスの長期的競争優位性を見定める上で、財務諸表をどのような視点で見ていくのかのヒントがたくさん書かれています。
目次
バフェット流 利殖術の最も大事な点
あなたは会計を理解するだけでなく、会計の行間に潜む機微を理解する必要がある。会計はビジネスの共通言語だ。言語として完全とは言いがたいものの、会計を学ぶ努力をしないかぎり、そして財務諸表を読んで理解する努力をしないかぎり、自分で株の銘柄を選択することなど夢のまた夢である。
ウォーレン・バフェット
- バフェットとグレアムが50%ルールで株式を売却した企業のうち、いくつかは売却後も長きにわたって繁栄を続けた。
- バフェットはスーパースター企業の経済性を深く理解すれば、恩師グレアムの投資手法のパフォーマンスを上げられると思った。
- 「長期的優位投資の条件とは何か?」という視点から企業の財務諸表の調査と研究を始めた。
- 全てのスーパースター企業は、ある種の競争優位性による独占状態から恩恵を受けており、自社製品を他社よりも多く、もしくは他社よりも高く売ることが可能だった。
- 企業の競争優位性を長期間維持できるなら、それが永続的なら、ビジネスの根源的価値は年を追うごとに増加し続ける。
- ビジネスの根源的価値が増加し続けるなら、できるだけ長く投資を継続した方がいい。
- 投資スパンを長期にすれば、取得した株の売却を行わないので、キャピタルゲイン税を遠い未来へ先送りできる。保有中は何年経とうと無税で済む。
- ユニークな製品やサービスを売る企業。一般大衆から安定した需要がある製品・サービスを低コストで仕入れ低コストで売る企業。これらの企業の投資していれば、毎年ふところにキャッシュが転がり込んでくる。
- あらゆる富を生み出す永続的競争優位性のうち、重要なのは「永続的」の部分。コカ・コーラ社は122年前から同じ製品を販売し続けており、122年後も同じ製品を販売している可能性が高い。この製品の「一貫性」こそが、企業収益の一貫性を生み出す。
- 製品を定期的に修正する必要がない場合、研究開発に巨額の資金を注ぎ込まなくて済むし、来年度にニューモデルを製造するために工場設備を更新しなくて済む。その結果、金庫にたんまりと金が貯まっていく。
- 多額の余剰金があれば、大きな負債を抱え込むことはない。大きな負債がなければ、重い利払いに苦しめられることない。最終的に、多額の剰余金は事業拡大や自社株買いに充てられる。
- 財務諸表を見る時、バフェットは「一貫性」を読み取ろうとする。一貫して高い粗利益率を保持しているか?一貫して負債を低水準に保てているか?一貫して研究開発投資の必要性を低く保てているか?一貫して収益を上げ続けているか?一貫して収益の成長を保っているか?
- 財務諸表に示されているこの「一貫性」こそが、企業の競争優位性が「永続的」であるかどうかを教えてくれる。
- 投資先の永続的競争優位性の有無を確かめる時、バフェットが頼りにするのが財務諸表(損益計算書、貸借対照表、キャッシュ・フロー計算書)。
バフェット流 損益計算書の読み方
あなたは数えきれないほどの企業の年次報告書と財務諸表を読まなければならない
プレイボーイを読む連中もいるが、私は年次報告書を読む
ウォーレン・バフェット
| 売上高 |
| 売上原価 |
| 売上総利益(粗利益) |
| 販売費&一般管理費 |
| 研究開発費 |
| 減価償却費 |
| 営業利益 |
| 支払利息 |
| 資産売却益/資産売却損(特別利益/特別損失) |
| その他 |
| 税引前利益 |
| 納税充当金 |
| 当期純利益 |
- バフェットは損益計算書を読むことで、会社の利益、収益の一貫性と方向性を見極めている。
- 1年分の損益計算書から分かることはほとんどない。永続的競争優位性を持つ企業を見つけたいなら5〜10年分の損益計算書をチェックする必要がある。
- 競合他社に対して長期的かつ永続的な競争優位性を持つ企業の株を適正価格かそれ以下で買って、充分な期間だけ保有すればリッチになれる。競争優位性を見定める時に損益計算書の1つ1つの項目が判断材料になる。
- 秀でた長期的経済性から好業績を引き出している企業は、そうでない企業と比べ、”一貫して”高い粗利益率を保っている。他の数字に惑わされず、粗利益を重視するほうがいい。
- 高い粗利益を稼ぎ出せるのは、永続的競争優位性の存在によって売上原価をはるかに上回る価格設定の自由が与えられているから。逆に、永続的競争優位性を持たない企業は、値下げすることで競争するしかない。値下げは利益の低下につながる。
- 一般的に(例外はあるが)、粗利益率が40%以上の企業は何らかの永続的競争優位性を持っている可能性が高い。逆に、40%以下の場合は、所属する業界の厳しい競争によって、利益が圧縮されている可能性が高い。20%以下の場合は、競争の激烈な業界に属しており、どの会社も持続可能な競争優位性を構築することができない。
- バフェットは”永続的”を重視しているので、少なくとも過去10年間の粗利益率を追跡し、”一貫性”の有無を確かめる。(永続的=一貫性)
- 永続的競争優位性を持つ企業は、粗利益に対する販管費(販売費及び一般管理費)の比率が一貫しているが、永続的競争優位性を持たない企業は、粗利益に対する販管費の比率が激しく上下に変動する。
- 粗利益に対する販管費の比率が30%以下なら優良企業と見なされるが、30〜80%でも永続的競争優位性を持つ企業は数多く存在する。しかし、100%近い数字、もしくは100%超の数字を出す企業は、所属している業界特有の激しい競争に巻き込まれていると考えられる。
- バフェットは高い販管費比率に苦しめられている企業を避ける。また、たとえ販管費比率が低くても研究開発や設備投資、債務利払いの増大によって経済性が破壊されることがある。
- 多額の研究開発費を必要とする企業は、競争優位性に先天的な欠陥を内包している。特許や先進技術を源とする一時的優勢性であることも多い。特許切れや他社が新しい技術を開発するこによってその優位性がくつがえされる。永続的競争優位性を持つ企業は、研究開発費が少額もしくはゼロである可能性が高い。
- 特許権の唯一の問題は最終的に効力が切れ、法の庇護を失うこと。特許権が切れると世界中のあらゆる企業が該当製品を作れるようになり、特許権から生まれていた永続的競争優位性は消え去る。バフェットが製薬企業に手を出さなかった理由。
- 減価償却費は極めて現実的なコストなので、利益を計算するとには除外すべきではない。EBITDAのように減価償却費をコストから除外すると、企業の収益は短期的に水増しされるため、優良ビジネスであるという錯覚が起こりやすくなる。昔からウォール街の専門家たちは減価償却にまつわる巧妙な抜け道を考え出してきた。
- 収益を生み出せない企業はEBITDAが大のお気に入り。バフェットはEBITDAを相手にしていない。経営者がEBITDAを語るような企業は永続的競争優位性を持っていないとみなしてよい。
- 永続的競争優位性を持つ企業は、過酷な競争に苦しんでいる企業と比べ、粗利益に対する減価償却費の割合が低くなる傾向がある。
- 営業利益に占める支払利息の比率は企業の危機レベルを表す。業界内で苛烈な競争にさらされ、競争力を保つために巨額の設備投資が必要な企業は比率が高い。業界内で比率が最も低い企業は競争優位性を持っている可能性が一番高い。
- 永続的競争優位性を持たない企業は大量の借入金を抱え、大量の利息を支払っていることが多い。永続的競争優位性を持つ企業は、借金をする必要がないため、支払利息は少額もしくはゼロのことが多い。
- 資産売却益などの特別利益は、会社を判断する際には純利益から除外せよ。それらに一貫性はない。
- バフェットは純利益が長期的に右肩上がりで推移しているか、収益に一貫性はあるのかを確かめる。
- バフェットは自社株買いをすると増加する”1株あたり利益”よりも、純利益を注視することで、ビジネスの現実を見定める。純利益に一貫性があるほど、その企業に永続的競争優位性が存在する可能性は高くなる。
- 永続的競争優位性を持つ企業は競合他社と比べて、売上高に占める純利益の割合が高い傾向がある。
- 売上高に占める純利益の割合が、長期的に20%以上で推移してきた企業は、何らかの長期的競争優位性から恩恵を受けている可能性が高い。逆に、10%以下で推移する企業は、永続的競争優位性を持ち得ない過当競争気味の業界に属している可能性が高い。
- 10年間の1株あたり利益の推移を見れば、その企業が永続的競争優位性を持っているかどうかわかる。10年スパンで一貫性と上昇トレンドを示している企業は、何らかの長期的競争優位性から恩恵を受けているという動かぬ証拠となる。
バフェット流 貸借対照表の読み方
人生はとかく最も弱い部分が侵食される。これは、ほとんどのビジネスとほとんどの人間にあてはまり、今のところまだ誰も深く考察していない面白い発見だ。自分の経験から言うと、人間の大きな弱点はふたつある。それは酒とレバレッジだ。わたしは多くの人びとが酒と借金によるレバレッジで失敗するのを目のあたりにしてきた
ウォーレン・バフェット
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- バフェットは会社が保有するキャッシュの額や長期借入金の額を永続的競争優位性があるかないかの指標として活用している。
- 損益計算書と違って、貸借対照表は特定の日付における企業の財務状況をスナップ写真のように切り取ったもの。よって、通期や四半期の貸借対照表というものは存在しない。1年のどの時点でも作成可能。通常は各四半期末に作成される。
- 貸借対照表が教えてくれるのは、企業が何を持っていて、何を借りているかという点だ。
- バフェットは永続的競争優位性を持つ企業を探す時、貸借対照表の資産と負債の全項目をチェックする。
- 資産の部には企業の富が並んでいる。
- 資産を大量に所有することは良いことだ。大金を稼ぎ出せる資産を大量に所有するのはもっと良いことだ。
- 流動資産は”運転資産”と呼ばれている。棚卸資産(在庫)が小売業者に売却されると、この金額は売掛金に計上され、小売業者から回収した売掛金は現金の項目に計上される。このサイクルが何度も繰り返されて、ビジネスは利益を生み出していく。(現金 → 棚卸資産 → 売掛金 → 現金)
- 売掛金勘定を抱えているのは良いことだが、現金を多く抱えている方がもっと良い。
- バフェットが初期の段階で確かめるのは、資産の中にどれくらいの”現金および現金同等物”が含まれているか。企業が競争優位性を活かして大量の現金を稼ぎ出しているのが良い解釈。事業の一部や多量の社債を売却したばかりというのが悪い解釈。
- 保有する現金が少量もしくはゼロの企業は、たいていの場合、根源的経済性が平凡もしくは貧弱。
- 巨額の現金を備蓄するには3つの方法がある。1つ目は社債や株式を新規発行して一般大衆に売る方法。2つ目が所有する事業や資産を売却する方法。3つ目は運転資金よりも多くの現金を本業で稼ぎ出す方法。バフェットの目を釘付けにするのは3つ目。
- 大量の現金と有価証券を保有し、借入金がほとんど、もしくは全くない企業は、トラブルの荒波を無事に乗り切る可能性がきわめて高い。逆の場合は世界最高の経営者が乗り込んでも沈没してしまう可能性が高い。
- 大量の借入金が存在している場合、その企業は優良ビジネスではない可能性が高い。
- 多くのビジネスは棚卸資産(製品在庫)が無用のものになったり、時代遅れとなるリスクを抱えている。一方、コカ・コーラは時代遅れにならないという強みがあるので、自社製品に改良を加える必要がない。これが永続的競争優位性となる。
- 永続的競争優位性を持つ企業は棚卸資産と純利益が共に増加する傾向がある。なぜなら、売上増加に合わせて在庫を増加させる必要に迫られるから。
- 売上が減少する一方で、棚卸資産が増加している企業は要注意だ。
- 同業他社と比較して一貫して売上高に占める売掛金の割合が低い場合、その企業はある種の競争優位性を持っている可能性が高い。強みがあるからこそ取引条件を妥協することなく現金取引ができている。
- 永続的競争優位性を持つ企業の多くが、1を下回る流動比率(流動資産 ÷ 流動負債)を示している。なぜなら、優良企業はあり余る収益を高額な配当や自社株買いに振り向け、現金保有高を減少させるから。さらに、高い収益力のおかげで、いとも簡単に流動負債を返済できてしまう。
- 変更の必要がない製品を一貫して生産し続けることは、一貫して収益を上げ続けることに等しい。永続的競争優位性を持たない企業は、絶え間ない競争に直面しているので、競争から脱落しないように絶え間なく生産設備を更新し続けなければならず、莫大な出費をもたらす。更新費用を借金で調達するかもしれない。一方、永続的競争優位性を持つ企業は、競争の参加費として絶え間なく生産設備を更新する必要はない。新しい設備が必要になったとしても内部で資金調達できる。
- ”無形資産”とは特許権、著作権、商標、フランチャイズ、ブランド名など物理的に触れることができない資産。コカ・コーラ、リグリー、ペプシ、ウォルマートといった永続的競争優位性を持つ会社は企業名と密接に結びついているが、最大の資産とも言うべきブランド名の価値は貸借対照表から読み取ることはできない。
- 無形資産は法律によって守られる独占状態と言い換えられる。永続的競争優位性の一種であると考えてもいい。
- 金融機関の株の購入を検討するとき、もしくは会社全体の買収を検討するとき、バフェットは常に長期借入金よりも短期借入金が多い会社を除外する。
- 永続的競争優位性を持つビジネスは、多くの場合、貸借対照表の”長期借入金”が少額もしくはゼロである。優良企業は膨大な利益を上げているため、事業拡大や企業買収を自己資金で賄うことができる。だから、巨額の借入を行う必要がない。
- 10年分の貸借対照表をチェックし、長期借入金がほとんど、もしくは全く生じてなければ、その企業は何らかの強力な競争優位性を持っている可能性が高い。
- バフェットが投資した優良企業は毎年、全ての長期借入金を3〜4年で返済できる純利益を出している。
- 未払法人税は永続的競争優位性があるかどうかを見定める時にはほとんど判断材料にならない。
- 企業が他社の株式を取得すると、この株式は企業の資産となり、財務諸表の”長期投資”の項目に取得価格で記載される。他社の株式を80%以上取得した場合、取得した企業の数字を全て貸借対照表と損益計算書に100%加えなくてならない。たとえば、90%取得した場合、取得していない10%分を”少数株主持分”に負債として計上する。
- 永続的競争優位性を持つ企業は収益力が極めて高いため、事業活動を行うにあたって巨額の純資産(内部留保)を必要としない場合がある。積み上げられた純資産(内部留保)は自社株買いに注ぎ込まれるため、純資産(内部留保)は減少し、負債比率(負債合計 ÷ 純資産合計)が上昇し、数字上は永続的競争優位性を持たない凡庸なビジネスとの見分けがつかなくなる。
- 企業の純利益の使い道は配当として株主に支払うか、自社株買いの資金にあてるか、ビジネスの成長を維持するために内部留保するかの3つ。内部留保は貸借対照表上では純資産の部の”利益剰余金”に計上される。
- 内部留保(利益剰余金)にまわされる額は税引後純利益から配当と自社株買いの支出を引けばいい。
- 永続的競争優位性の有無を見極める際、内部留保(利益剰余金)の指標としての重要性は一、二を争う。内部留保(利益剰余金)を積み増せない企業は、純資産を成長させることもできないため、長期的に株主をリッチにしてくれる可能性は低い。
- 内部留保(利益剰余金)の着実かつ長期的な増加は、永続的競争優位性を持つ企業の特徴の1つである。
- 純資産の増加は良いことである。純資産の減少は悪いことである。
- 企業が自社株買いで買い取った株式は、失効(抹消)させるか、将来の再発行をにらんで保有し続けるかの2つの処理方法がある。保有される株式は貸借対照表上では純資産の部の”自己株式”に計上される。この株式は議決権も持たず、配当も受け取れず、純資産を減らす効果を持つとみなされているため、マイナスの資産として扱われる。自己株式は発行済み株式から除外される。
- 自社株買いを行って、自己株式として保有し続けると、株式発行総数が減るため株主資本利益率(ROE)の数字が向上する。
- 純資産には3つの源がある。1つ目は企業設立時に優先株と普通株の売り出しで一般から調達してきた資本。2つ目は企業設立後に優先株と普通株の売り出しで一般から調達してきた資本。3つ目は内部留保でこれが最も重要。
- 全ての資本は企業に所属し、企業は普通株の持ち主に所属するため、全ての資本は普通株主に所属すると言える。だからこそ、企業の資本は”株主資本”とも呼ばれる。
- 金融アナリストたちは、経営者が株主の金をどれだけ有効に活用しているかを測るため、株主資本利益率(自己資本利益率・ROE)の公式を編み出した。永続的競争優位性を持つ企業を探すさい、バフェットもこの公式で偉大な株を発見してきた。
- バフェットは永続的もしくは長期的競争優位性を持つ企業は株主資本利益率(純利益 ÷ 純資産)が平均より高くなることを発見した。バフェットのお気に入りのコカ・コーラは30%、リグリーは24%、ハーシーズは33%、ペプシは34%といずれも高い。逆に、競争が厳しい航空業界は株主資本利益率が低い。
- 株主資本利益率の高さは企業が内部留保を有効に活用していることを示している。時間が経過するにつれ、高い株主資本利益率はビジネスの根源的価値を増大させていく。そして、いつの日か株式市場によって認識され、株価上昇となって現れる。
バフェット流 キャッシュフロー計算書の読み方
成長に大量の資本を必要とする企業と、成長に資本を必要としない企業とでは、天と地ほどの差がある
ウォーレン・バフェット
| 営業活動によるキャッシュフロー |
| 純利益 |
| 減価償却費 |
| なし崩し償却費(のれん代や特許のような無形資産) |
| 投資活動によるキャッシュフロー |
| 資本的支出 |
| その他投資キャッシュフロー |
| 財務活動によるキャッシュフロー |
| 支払済み現金配当 |
| 株式の発行&償還、純額 |
| 社債の発行&償還、純額 |
- 多くの企業は現金主義会計ではなく発生主義会計を導入している。発生主義会計とは代金支払いが数年先でも商品を引き渡した時点で売上を計上する会計方式。ほとんどの企業は得意先に何らかの掛け売りをしているので、発生主義会計に利点を見出している。
- 営業活動によるキャッシュフローは純利益に減価償却費となし崩し償却費を加える。会計上、償却費は当該年度内の費用と見なされるが、実際には支払いが済んでいるため、企業が持っている現金が目減りすることはない。
- 投資活動によるキャッシュフローは当該期間内に行われた全ての”資本的支出”が含まれる。資本的支出は現金の減少をもたらすた、常に数字はマイナスに。”その他投資キャッシュフロー”は収益性のある資産を売却した際の現金支出と現金収入を計上する項目。
- 投資活動によるキャッシュフローの”資本的支出”とは土地や生産設備のような1年超にわたって保有される資産を取得する時に支出される現金および現金同等物のこと。特許のような無形資産の取得費用も含まれる。これらの資産は1年超の期間に減価償却もしくはなし崩し償却される。
- 多くの企業は事業継続のためだけに巨額の資本的支出を余儀なくされる。バフェットは通信網を整備するために莫大な資本的支出を強いられる電話会社には投資しない。永続的競争優位性を持った企業は事業継続のための資本的支出が低くなる傾向がある。
- 財務活動によるキャッシュフローは財務活動に起因する現金収入と現金支出を扱う。新株発行で資金を調達すれば現金流入、自社株買いを行えば現金流出。社債発行すれば現金流入、社債償還すれば現金流出。
- 永続的競争優位性から恩恵を受けている企業は、大量の現金が流れ込んでくる。その現金は配当と自社株買いに回る。配当を受け取った株主は税金を払わなければならない。自社株買いなら株主の財産が増えても株を売却するまでは一切の税金がかからない。バフェットは自社株買いを気に入っている。
永続的競争優位性を持つ企業の評価法
私は10年から15年先の姿が予測可能だと思えるビジネスを探し求めている。たとえば、リグリーのチューインガム。インターネットがいかに進歩しようと、人々のガムの噛み方が変わるとは考えにくい
ウォーレン・バフェット
- 優良企業の株に対する投資は倒産リスクがないため、元本が保証されいているに等しい。それは右肩上がりでふくらむ利子付きの”エクイティ・ボンド”も同然である。この場合の”右肩上がりでふくらむ利子”とは配当のことではなく、優良ビジネスが毎年稼ぎ出してくれる巨額の税引前利益のこと。
- バフェットにとって永続的競争優位性を持つ企業の税引前利益は、債券の利札や利息と同じ。債券の利札や利息は固定されているが、永続的競争優位性を持つ企業の税引前利益は、年を追うごとに増加していく。
- 永続的競争優位性を持つ企業を”エクイティ・ボンド”の一種とみなす以上、初期の取得価格が高ければ高いほど、開始時の収益率は低くなり、初期投資額に対する10年後の収益率も低くなる。
- 優良企業の株を買う時は、弱気相場や解決可能な一時的トラブルに直面して株価が下落した時。














