とうとう明日(11月3日)は米国で大統領選挙が行われます。
日本時間だと3日の夜から投票が開始され、4日の午前9時ごろから少しずつ結果が出てくる流れになると思われます。
今週は米大統領選以外にも、以下のようにマーケットを左右する米国の経済指標が多々発表されます。
- 11月2日(月)24:00:ISM製造業景況指数
- 11月3日(火):米大統領選の投開票
- 11月4日(水)22:15:ADP雇用報告
- 11月4日(水)24:00:ISM非製造業景況指数
- 11月5日(木)04:00:FOMCで政策金利&声明発表
- 11月5日(木)04:30:パウエルFRB議長の記者会見
- 11月6日(金)22:30:雇用統計
目次
米国は11月1日から冬時間へ
米国では10月31日でサマータイムが終わり、11月1日から冬時間に入りました。
その結果、日本とアメリカ(NY)の時差は13時間から14時間に1時間伸び、米国市場の時間帯や経済指標の発表も1時間後ろになります。
以下のツイッターの画像が非常に分かりやすいです。
◆冬時間に
アメリカは冬時間に切り替わりました。NYの日没は18時前から17時前になり、今後さらに日が短くなっていきます。いいねが多くついた下記の表をもう一度載せておきます。大統領選の開票は日本時間11/4のAM9時頃から昼過ぎにかけ(=ちょうど東京市場の時間帯)、特に注目が集まりそうです。 pic.twitter.com/paSfCLidmq
— 後藤達也(日本経済新聞) (@goto_nikkei) November 1, 2020
60万ほど損切りした4年前の2016年の大統領選の振り返り
4年前のことは今でも克明に覚えています。
2016年といえば、私がFX取引を開始した年です。
大統領選当日にあたる2016年11月8日は日本時間の夜からボラティリティが上がり、ドル円は激しく動き始めました。
私はドル円をBUYエントリーしたのですが、その後ドル円は下落し(=円高になり)、含み損が増えていきました。そこで、ナンピン買いで対抗。
しかし、私のナンピン買いをあざ笑うように翌日のドル円はさらに下落し、9日の夜に60万ほどの損切りをしました・・・。
FXを始めて最初で最後の大敗です・・・。
あの時はFXデビューして3ヶ月ほどだったので、自分が抱えた含み損の金額にビビってしまい、狼狽的に損切りした記憶があります。
あれから4年が経ち、すでに損失は回収しているので4年前のリベンジをしてやろうとは思いませんが、胸の高鳴りを感じます。
「とうとうこの日がまた来たか・・・」という感じです。
◆4年前の東京市場
日本時間11/4の朝から大統領選の開票速報が続々と伝わる見通しです。下記の4年前の記録はイメトレになるかもしれません。午前10時ごろからトランプ氏の優勢が伝わり、急激な株安・円高に(翌日以降は相場は反転)。今回は郵便投票も多く、いろいろと不透明ではあります。 pic.twitter.com/z0xDpdRJrg— 後藤達也(日本経済新聞) (@goto_nikkei) November 1, 2020
上のツイッターの画像を見ると、11月9日に1ドル105円台から101円台へと4円も円高が進んだことが分かります。
もう今となっては信じられないくらいグイングインとチャートが動いた記憶があります。
チャート酔いしてしまい、冷静な判断ができなくなり、損切りというパターンでした・・・。
明日も101円台までドル円は下落するのでしょうか?それとも、4年前とは違い初動は円安ドル高となるのでしょうか?
フロリダ州の結果が勝敗を分ける
◆接戦州の早見表
日本時間11/4午前~米大統領選の開票速報が続々と流れます。その際、情勢把握の手助けとなる接戦州の表を作りました。左→右が時差の順で、序盤の焦点は茶色の枠の4州。特にフロリダは選挙人数が多く注目されています。今回は郵便投票が多く、州によって伝わる時間もブレそうです。 pic.twitter.com/Lb5BOCLssm— 後藤達也(日本経済新聞) (@goto_nikkei) November 2, 2020
和キャピタル 村松一之氏
「日本時間11月4日9時半~にフロリダなどの結果が出る」
「注目はフロリダ州。フロリダ州をトランプ氏が落とせば、一気にトリプルブルーを織り込み、株高・金利上昇になると思う」
「逆にフロリダをトランプ氏が取れば、泥沼化が予想され、金利低下、株価は不安定になる思う」 pic.twitter.com/zv60lGWpTK— ケミ介 (@chemisuke_sikyo) November 1, 2020
様々なメディアで今年の大統領選ではフロリダ州の結果が明暗を分けると報道されています。
トランプ大統領が落としたらダメな州はフロリダ州とテキサス州です。
このどちらかでバイデンに負けたら勝てないと言われています。
フロリダ州はテキサス州よりも早い段階で結果が出るので、フロリダ州の勝敗がその後の勝負を分けると見られているようです。
フロリダ州でトランプが勝てばその後に発表される結果次第、フロリダ州でバイデンが勝てばそのままバイデン勝利でトリプルブルー(大統領、上院、下院すべて民主党)になるかどうかといった感じでしょうか。
ただ、「トリプルブルーになれば株高」と言われていますが、私はそれには疑問ですね。。
誰が言い出したか分かりませんが、ゴールドマン・サックスのような投資銀行が言い出したのなら、トリプルブルーで大きく株価が上昇したところで利益確定の売りをするための事前のポジショントークのような印象を受けています。
大統領選の結果が泥沼化した場合の重要日
さて、今年の大統領選は結果がなかなか決まらないリスクがあると言われています。
接戦でトランプ大統領が負けた場合、郵便投票不正を言い訳にホワイトハウスに居座る可能性すらあると報道されています。
そんな大統領選の投票日以降のスケジュールは以下のようになっているようです。
和キャピタル 村松一之氏
「大統領選が泥沼化した場合、感謝祭の11月26日までには決着するだろうと予想されている」
「ただし、12月以降にずれ込んだ場合、大きなパニックとなって日経平均で22000を割ってもおかしくない」 pic.twitter.com/cXJNMlFiOt— ケミ介 (@chemisuke_sikyo) November 1, 2020
もし米国大統領がなかなか決まらないといった混乱が生じた場合、株式市場も為替市場もかなりボラティリティ(=変動幅)が上がると思われます。
ただ、株の場合、大きく下げたところでは優良銘柄の仕込み時になるのではないでしょうか。
為替の場合、ボラティリティの高まりは稼ぐチャンスなので、積極的にエントリーチャンスを狙うまでです。
郵便投票などの期日前投票が急増
米トリプル安、侮れない社会主義革命の暗流:日本経済新聞(2020/11/2)
今回の選挙は郵便投票などの期日前投票が急増し、投票率の大幅な上昇が予想されている。その多くは若者やマイノリティー(少数人種)といったトランプ氏の株主至上主義への反感が掘り起こした左寄りの新たな票田とみられている。
今年の大統領選はコロナの影響で期日前投票が急増しているそうです。
もし私が米国民だったとしても、大統領選当日の蜜になりそうな日は避けて期日前投票をすると思います。
投票率が上がると民主党が有利になると言われていますが、それは反トランプの人の投票が多いと見られているからです。
今のアメリカは「トランプか、反トランプか」という二極化しています。
160年前の大統領選で奴隷制に反対のエイブラハム・リンカーンが勝利した。その結果を南部が拒否し、南北戦争が始まった。冗談抜きで今回、同じような事態が起こりかねない――。
反トランプの人たちはなんとしてもトランプを大統領の座から下ろしたいと思っていることでしょう。そのため、普段なら投票に行かないような人も、今年だけは期日前投票で投票するという人は増えているんだと思います。
逆に、Evangelical(=米国の人口の約25%を占めるキリスト教福音派で約72%がトランプ支持と言われている)やプラウドボーイズを中心としたトランプ軍団(Army for Trump)と言われている人たちは、トランプ再選以外は認めないという姿勢になると思われます。
そして、「隠れトランプ」という言葉が定着しているように、今のアメリカでは住んでいる場所や勤務している会社によってはトランプ支持を公に言えない状況となっています。
以下の動画によると、今のアメリカ人は次の3種類に分かれているようです。
- 古き良きアメリカを愛する人・・・声高には主張しないが保守思想を大事にしている
- BLM(Black Lives Matter/黒人の命は大事 = 反トランプ)運動に不安を持つ人・・・自分が住んでいる地域でBLM運動が暴徒化すると治安が不安
- 差別主義者と呼ばれたくない人・・・トランプ支持だと人種差別主義者だと思われてしまうと心配
大統領選に関する3つのアノマリー
東京為替見通し=明日の米大統領・上下両院議員選挙の投開票控えて動意に乏しい展開か | 2020年11月02日(月)08時00分|FXニュース – ザイFX!
10月末のS&P500終値が、7月末の終値を上回れば、現職大統領、あるいは与党候補が勝利、下回れば敗北するというアノマリーがあるが、今年のS&P500は、10月末の終値が3269.96となり、7月末の終値3271.12を1.16ポイント下回ったことで、トランプ第45代米大統領が敗北し、バイデン第46代米大統領が誕生する可能性が高まっている。
米大統領選挙の直前に、失業率が0.5%以上上昇した場合、現職大統領、与党候補が敗北するというアノマリーがあるが、今年は、新型コロナウイルス感染を受けて失業率は上昇しているので、トランプ米大統領の敗北の可能性が示唆されている。
また、リセッション(景気後退)の時の現職大統領は敗北する傾向にあり、今年の米経済はリセッションに陥っていることで、トランプ米大統領の敗北の可能性が示唆されている。
アメリカでは以下のような大統領選に関するアノマリーがあります。
- 10月末のS&P500終値が、7月末の終値を上回れば、現職大統領、あるいは与党候補が勝利、下回れば敗北する
- 米大統領選挙の直前に、失業率が0.5%以上上昇した場合、現職大統領、与党候補が敗北する
- 米リセッション(景気後退)の時の現職大統領は敗北する傾向にある
1つずつ検証してみようと思います。
10月末のS&P500終値が、7月末の終値を上回れば、現職大統領、あるいは与党候補が勝利、下回れば敗北する
上記は10月30日(金)から過去6ヶ月のS&P500の株価チャートです。
7月31日(金)と10月30日(金)を見比べてみると、ほぼ同じ位置になることが分かります。
アノマリーでは接戦を意味しているのかもしれません。
時系列で見ると、7月31日(金)の終値は3,271.12ポイントに対して、10月30日(金)の終値は3,269.96ポイントと少しだけ下回っています。
アノマリー通りなら接戦でバイデン勝利となります。
ただ、たった1.16ポイントの差ですから、ここはちょっとアノマリーとしては弱い印象です。
米大統領選挙の直前に、失業率が0.5%以上上昇した場合、現職大統領、与党候補が敗北する
失業率は上記のように圧倒的に上昇しています。このアノマリーでは現職大統領であるトランプは敗北します。
米リセッション(景気後退)の時の現職大統領は敗北する傾向にある
新型コロナで米国だけでなく世界中でリセッションが起きています。
このアノマリー通りだとトランプ大統領の敗北ということになりますが、規格外のトランプの場合、過去のアノマリーがどの程度通用するのかといった問題もあります。
SNSが人間の心理と行動に与える大きな影響
テレ東のこの動画が非常に興味深い内容でした。
前回だけでなく今回の大統領選も、SNSが投票結果に与える影響は非常に大きいと感じました。
今の時代、SNSは単なるコミュニケーションツールではなく、人々の心理そして行動に大きな影響を与えるウェポン(武器)となっているようです。
結果は予想せず、値動きに付いていくのみ
ざっくりですが、米大統領選前のまとめをしてみましたが、私は大統領選の結果は予想しません。
4年前はそれで失敗していますし、この4年間でFX取引にとって予想することはあまり意味がないと体感的に学んでいます。
私がすべきことは、ただ値動きに順張りで付いていくのみ。大きく乖離したら、逆張りで欲張らずに取るのみです。
この手の記事などを読むと、「メディア報道に反してトランプが再選するのかもな・・・」と思ったりしますが、仮にトランプが再選しても、通貨がどう動くのかは事前には分かりません。
予想することは柔軟性を失うことに直結するので、ただただ値動きを読むに徹したいと思っています。
いずれにせよ、明日の大統領選はすごく楽しみです。
3日の夜から4日にかけて、チャンスがあればできる限りエントリーしたいと思っています。
ただ、値動きが激しすぎてビビってしまい、エントリーできなくなることも想定しています。そんな時は無理せずにいきたいと思っています。
自分が「いける」と思ったタイミングでのみエントリーしていきたいですね。
今回の大統領選は結果が出た後も揉める可能性があるため、4日以降もボラティリティが高い状態が続く確率が高いです。
でも、それはFXで稼ぎやすい状態が続くことになるので、3〜4日だけでなく年末までできる限り稼げたらと思っています。