先週金曜日(2019年3月8日)は米雇用統計は一瞬目を疑うような結果が出ました。
非農業部門雇用者数が「予想18万人増」に対して「2万人増」という結果でした。
一瞬、「20万人の間違えでは・・・」と思ったのですが、間違いではなく予想を大幅に下回る「2万人増」という結果でした。
その結果、ドル円は大きく下落しました。
8日は雇用統計発表前から大幅なドル円下落が進んでいたので、もしかしたら非農業部門の雇用者数が大幅に減ることが漏れていたのかもしれないと思ってしまいました。
ただ、雇用統計後のドル円は横ばいで推移しました。
失業率と平均時給の数値が良かったからだと思います。
2019年3月8日に発表された「米雇用統計」の結果は以下のようになっています。
予想 | 結果 | |
---|---|---|
非農業部門の雇用者数 | 18万人増 | 2万人増 |
失業率 | 3.9% | 3.8% |
平均時給(前年比) | +3.3% | +3.4% |
平均時給(前月比) | +0.3% | +0.4% |
2019年2月の雇用統計の内容を受けた各メディアの報道
各メディアは今回の雇用統計の内容を以下のように報じています。
米雇用2万人増どまり 2月、1年5ヵ月ぶり低水準:日本経済新聞(2019/3/8)
米労働省が8日発表した2月の雇用統計(速報値、季節調整済み)は、景気動向を敏感に反映する非農業部門の就業者数が前月比2万人増にとどまった。建設業や小売業の雇用者数がマイナスに転じ、増加幅は前月(約31万人)から急減。
2月の就業者の増加幅は、ハリケーン被害があった2017年9月(1万8千人)以来、1年5カ月ぶりの低さで、市場予測(18万人増)も大きく下回った。今回も米東海岸などで続いた降雪の影響で、雇用の伸びが低迷した側面がある。
ただ、雇用統計には強弱がある。失業率は3.8%と前月から0.2ポイント低下し、半世紀ぶりという歴史的な水準を保っている。企業は求人をかけてもすべてを補充できず、人手不足のため就業者数そのものは増えにくい環境にある。
労働市場に逼迫感があるため、賃金も上昇している。2月の平均時給は27.66ドルと、前年同月比3.4%増えた。伸び率は09年4月以来、10年ぶりに近い水準で、失業率の低下と賃金の上昇はそろって個人消費の下支え材料となる。
崩れぬ米経済への強気論(NY特急便):日本経済新聞(2019/3/9)
「非農業部門の雇用者数は前月比2万人増」。市場予想(18万人増)を大幅に下回り、雇用統計は見出しだけならショッキングな内容だ。だが市場関係者はむしろ米労働市場の強さを読み取ったようだ。
平均時給は前年同月比3.4%増と約10年ぶりの大きさだった。失業率は3.8%と前月から0.2ポイント低下し、半世紀ぶりの低水準にある。目を引いたのは「U6」と呼ばれる広義の失業率だ。職探しをあきらめた人やパートタイマーも失業者に加えた値で、7.3%と前月から0.8ポイントも下がった。単月の下落幅としては過去最大。この先労働市場に入る人が減り、需給逼迫が続くことを示す。
米雇用統計:識者はこうみる | ロイター(2019年3月9日)
米非農業部門雇用者数の増加数が2万人にとどまり、衝撃的なひどい結果となった。1月は極めて好調だったため、その反動だったと考えられる。
世界経済、および米経済の行方を示す指標は強弱混交となっているため、今後発表される経済指標の重みは増す。FRBは指標次第との姿勢を示しているため、今後、経済指標の重要度は増していく。
3カ月平均では雇用者数は18万6000人増と、良好な経済状況を示唆していることから、政府機関閉鎖という要因を含まない翌月の数字を踏まえ、2月の結果を見極める必要がある。ただ、これほどまでのボラティリティはやや理不尽だ。
非農業部門雇用者数は予想を大きく下回ったが、中身を見ると、予想を上回った部分もある。失業率は低下し、広義の失業を示すU─6失業率の低下は過去最大となった可能性がある。時間当たり賃金も予想を超えて上昇した。
過去には、非農業部門雇用者の増加数が今回のように低調だった月もあった。例えば、2016年5月は1万5000人増、17年9月は1万8000人増だった。雇用増が軟調だったのは単月限りのもので、その後に増加数が20万人レベルに戻れば、今回の結果を深刻に捉える必要はなくなるだろう。
米雇用統計:2月は2万人増、1年余りで最小-時給は伸び加速 – Bloomberg(2019年3月8日)
政策当局者やエコノミストは労働市場に懸念要因があるとの結論に至る前に、あと数カ月は様子を見る可能性がある
「パニックに陥る理由は全くない」と指摘。「数カ月を平均してみると、雇用市場はなお順調だ。景気が緩やかになり始めるのに伴い、雇用の伸びは今年減速するだろう。ただし今後雇用創出のペースが毎月のように2万人ということはあり得ない」と述べた。
米2月雇用統計は2万人増どまり、1年半ぶり低水準 景気減速懸念も | ロイター(2019年3月9日)
米国の景気拡大期間は今年7月で10年を超え最長を更新するが、ここにきて成長ペースは鈍化している。今回の雇用統計もその裏付けとなり、米連邦準備理事会(FRB)の利上げに対する「忍耐強い」姿勢の根拠となりそうだ。
キャピタル・エコノミクスのシニア米国担当エコノミスト、マイケル・ピアス氏は「雇用の急減速は米経済の伸びが第1・四半期に鈍化していることをあらためて示しており、FRBが今年利上げしないとの当社の見方を裏付けている」と述べた。
私は翌日の3月9日(土)に、各メディアでどんな報道がされるのか楽しみにしていたのですが、思ったほど悲観的な報道ではありませんでした。
午前中にテレビで見ていたブルームバーグのリアルタイム番組を見ていても、女性アナリストらしき人が「今回の雇用統計の内容は悪かったけど、3ヶ月でならして見るとそれほど悪くないわよ」といったことを言っていました。
さらに、今回は失業率と平均時給の内容が良かったので、それを受けてドル円も急落せずに済んだようです。
過去の雇用統計の非農業部門の雇用者数の推移
米労働省労働統計局(U.S. Bureau of Labor Statistics)のサイトで過去の雇用統計の非農業部門雇用者数の推移を確認してみました。
2009年からの非農業部門雇用者数の推移ですが、直近3年間では2016年5月(1.5万人増)と2017年9月(1.8万人増)が非常に低い数字になっています。
しかし、その翌月はどちらも高水準な雇用者数に戻っています。
というわけで、2019年3月の雇用統計は高い数値が出ることが予想されますが、これがまた低く終わったら「過去2回と違う」ということでリセッション(景気後退)観測がさらに高まる展開となるかもしれません。
金利先物市場での利上げ予想
現時点(2019年3月11日)の金利先物市場での利上げ予想は以下のようになっています。
2019年6月は利下げが6.2%で利上げ予想はありません。
2019年9月になると、利下げ予想が10.2%に増加しています。
さらに、年末の2019年12月になると、利下げ予想が17.2%まで増加しています。
というわけで、金利先物市場では今年(2019年)は「利上げなし」「利下げは1回はあるかもしれない」くらいに予想しているようです。
FRBが利下げすると、日米金利差が現状より縮まるので、ドル円下落(=円高)の要因となります。
ドル円BUYで多くの含み損を抱えている私としては、サプライズの利上げが1回くらいあってほしいものです・・・。
2019年3月11日時点の含み損
私は3月6日(水)にドル円BUYエントリーしたのですが、木曜日まで持ち越すと土日を含めた3日分のスワップポイントが付くので、そのまま持ち越しました。
ドル円0.3ロットの3日分のスワップポイントは702円なので、1日分だと234円ということになります。(702 ÷ 3 = 234)
私は現在、ドル円0.3ロットのエントリーを3エントリー(合計0.9ロット)保有しているので、1日につき702円のスワップポイントが入ってくる計算です。(234 × 3 = 702)
30日間保有すれば21,060円のスワップポイントになります。(702 × 30 = 21060)
翌日も持ち越したところ、936円にスワップポイントが増えているので、234円のスワップポイントが付いています。(936 – 702 = 234)
ただし、ドル円が下落したため、含み損は14,820円まで増加してしまいました。
金曜日の雇用統計の結果を受け、ドル円はさらに下落したので、本日の含み損は3エントリー合計で約10万円まで増加してしまいました。
証拠金維持率が800%台まで下落してしまったので、胃が痛い日々が続いています・・・。
私個人的にはまだドル円は上昇する可能性があると思っているので3エントリーともに保有しているのですが、さらに下落してしまうとかなりヤバイ展開となってしまいます・・・。
米中貿易協議に関する良いニュースが出てくれることを祈る毎日です。。