先週の金曜日(2019年8月23日)の夜に、米中貿易戦争がさらに激化したことで、マーケットは完全にリスクオフとなり、株安・円高の流れが加速しています。
金曜日の米国市場では3指数ともに大幅下落しました。
ダウが2.3%、S&P500が2.5%、ナスダックが3%のマイナスです。
これを受け、今日(2019年8月26日月曜日)の日本市場も大幅下落で終えました。
日経平均株価が450円ほどの下落ですが、今夜の米国市場次第では明日の2万円割れの可能性もありそうです。
それにしても、今はリート(不動産)が強いです。貿易摩擦の影響を受けないアセットとして、世界のマネーが日本のリートに向かっているようです。そろそろ逆回転しそうな気もしますが・・・。
米債券の利回りも大幅に低下しています。
10年債利回りが1.458%と1.5%を下回っています。
2年債利回りが1.459%なので、ギリギリですが逆イールド状態となっています。
米債券利回りの低下は日米金利差の縮小につながるため、ドル円にとっては円高要因となります。
上図は過去5年の米10年債利回りのチャートです。
ちょうど1年前は3%を超える利回りがありましたが、今は半分以下の利回りとなっています。
債券の場合、価格と利回りは逆相関なので、利回りが下がったということは債券価格が上がったことを意味します。
債券価格が上がったということは、それだけ債券を買っている人が増えているということです。
リスクオン時には株式が買われ、リスクオフ時には債券が買われるという特性を考えると、この1年で株式から債券へマネーが移行していることが分かります。
ダウやS&P500が最高値を更新したりなど、米国株が比較的好調なのであまり実感できませんが、米中貿易摩擦が本格化して以降、「株式というリスク資産」から「債券という安全資産」へ世界のマネーは確実に移行しているようです。
そして、今日の日本時間でとうとう米ドルの為替レートが今年1月3日のフラッシュクラッシュを上回る円高となりました。
1ドル104.440円、ドル円が1月3日のフラッシュクラッシュを上回る円高に
私が利用しているXM(エックスエム)のドル円日足チャートです。
今年1月3日はフラッシュ・クラッシュが起こり、大幅な円高となりました。
この日は多くのFXトレーダーが強制ロスカットされ、大きな損失を出してしまったようです。確かに、ここまで動くと、レバレッジ25倍の日本のFX業者では強制ロスカットになってしまっても仕方ないと思います。
私が現在利用している海外証券のXM(エックスエム)ならレバレッジ最大888倍なので強制ロスカットにならずに済んだ可能性もありますが。
この1月3日のフラッシュクラッシュで付けた「1ドル104.6円」は今年(2019年)の円高の目安となっていましたが、とうとう本日(2019年8月26日)それを上回る円高を付けました。
FX会社によって微妙に為替レートに差が出るのですが、私が利用しているXM(エックスエム)では朝7:25分頃に「1ドル104.440円」を付けました。
とうとう割ってしまったので、今後はどこまで円高が進むかに焦点が当たりそうです。
そこで、週足チャートでさらに過去にさかのぼってドル円の過去の推移を確認してみたいと思います。
2015年11月から本日(2019年8月26日)までのドル円の週足チャートです。
これを見ると、1ドル104.6円は1月3日だけでなく、2018年3月でも円高の節目となっていることが分かります。
仮に、このままさらに円高が進むとすると、今度は2016年6月〜11月に付けた「1ドル98.9〜101.2円」がテクニカル的には節目として意識されそうです。
年内か来年か分かりませんが、久しぶりの1ドル100円割れもシナリオに入れておいた方がいいかもしれません。
円高は日本株にとってマイナスなので、仮に1ドル100円割れをすると、日経平均株価も1万8000円台まで下落するかもしれません。
日経平均株価の1万8000円は日銀ETF買いの損益分岐点のようです。
日銀の雨宮副総裁、ETF「日経平均1万8000円割れで簿価下回る」参院財金委:日本経済新聞
日銀の雨宮正佳副総裁は12日の参院財政金融委員会で、上場投資信託(ETF)の買い入れについて、「日経平均株価が1万8000円程度を割り込むと、日銀の保有ETFの時価が簿価を下回る」と発言した。2018年9月末の数値を元に計算したという。
ちなみに、XM(エックスエム)ではドル元のトレードもできるのですが、中国人民元は米ドルに対して本日さらに元安になっており、1ドル=7.1元台は約11年半ぶりの安値です。
日本の輸出企業が円安になると利益が増えるように、元安は中国のグローバル企業にとってはプラスです。
米国は8月5日に中国を為替操作国に認定しましたが、人民元レートは中国人民銀行(中国の中央銀行)が基準となるレートを決めているので、為替操作国の認定なんてお構いなしというスタンスのようです。
それだけ、米国による貿易関税が効いているという表れかもしれません。
いずれにせよ、今日の米国市場でのドル円の動きに注目したいと思います。
「ここから円安へと逆回転を始めるのか?それともさらに円高が進むのか?」の分岐点に来ているように思います。