先日読んだ山口揚平さんの「なぜか日本人が知らなかった新しい株の本」の内容が個人的に素晴らしかったのですが、この書籍に書いてあって「企業価値算定の4ステップ」を試してみようと思います。
- 事業価値を見積もる
- 財産価値を見積もる
- 負債を引く
- 発行済株式数で割って1株の価値を出す
とりあえず、今現在で私が保有している銘柄で算定したいと思います。
目次
手間いらず(2477)
私が現在保有している銘柄の中で一番含み益が出ている銘柄「手間いらず(2477)」の企業価値を算定したいと思います。
事業価値を見積もる
事業価値を見積もるために、まずは過去3期分の営業利益を調べます。

上の画像は株探の決算ページです。
1,476百万円 + 1,608百万円 + 1,640百万円 = 4,724百万円
4,724百万円 ÷ 3年 = 1,574.667
ということで、3期分の営業利益の平均は1,574百万円です。
事業利益は営業利益の10倍なので15,740百万円(157億4000万円)ということになります。
財産価値を見積もる
財産価値を見積もるために、最新の有価証券報告書で「貸借対照表」をチェックします。


- 流動資産合計:7,144,462千円
- 投資その他の資産合計:73,609千円
- 流動負債合計:449,668千円
7,144,462千円 – (449,668千円 × 1.2)+ 73,609千円 = 7,144,462千円 – 539,601千円 + 73,609千円 = 6,678,470千円
上記の計算から、財産価値は6,678,470千円(66億7847万円)となります。
負債を引く
手間いらず(2477)は有利子負債がゼロ、つまり無借金経営なので貸借対照表に固定負債の項目がありません。
そのため、自己資本比率は94%と非常に高いです。
というわけで、手間いらず(2477)の負債はゼロです。
発行済株式数で割って1株の価値を出す
算出した「1株価値」と「現在の株価」を比較して割安か割高かを判断
最後に「1株価値」を計算します。
まずは、発行済株式数を調べます。
発行済株式数は有価証券報告書に記載がありますし、株探にも銘柄トップページにも記載してあります。

発行済株式数は6,480,961株です。
全てのデータが揃ったので、「1株価値」を計算します。
(事業価値157億4000万円 + 財産価値66億7847万円 – 負債0円)÷ 発行済株式数6,480,961株 = 3,459.127
というわけで、1株価値は3,459円です。
現在(2025年10月17日終値)の株価が3,305円なので、現在の株価水準はほぼ1株価値と同等という判断ができそうです。
割安状態ではないので、3500円くらいまで上がったら利益確定した方がいいということでしょうか・・・?
バリューコマース(2491)
私が一番含み損を抱えている銘柄「バリューコマース(2491)」の企業価値も算定してみたいと思います。
面倒なので画像は載せません。
事業価値を見積もる
過去の3年の営業利益は以下の通りです。
- 5,229百万円
- 4,160百万円
- 1,500百万円
過去3年平均の営業利益は3,629百万円です。
事業利益は営業利益の10倍なので36,290百万円(362億9000万円)ということになります。
財産価値を見積もる
- 流動資産合計:17,697百万円
- 投資その他の資産合計:1,332百万円
- 流動負債合計:5,926百万円
17,697百万円 – (5,926百万円 × 1.2)+ 1,332百万円 = 17,697百万円 – 7,111百万円 + 1,332百万円 = 11,918百万円
上記の計算から、財産価値は11,918百万円(119億1800万円)となります。
負債を引く
- 固定負債合計:59百万円
- 少数株主持分:なし
ということで、負債は59百万円(5900万円)です。
発行済株式数で割って1株の価値を出す
算出した「1株価値」と「現在の株価」を比較して割安か割高かを判断
- 事業価値:36,290百万円(362億9000万円)
- 財産価値:11,918百万円(119億1800万円)
- 負債:59百万円(5900万円)
- 発行済株式数:34,471,000株
(事業価値362億9000万円 + 財産価値119億1800万円 – 負債5900万円)÷ 発行済株式数34,471,000株 = 1,396.797
というわけで、1株価値は1,396円です。
現在(2025年10月17日終値)の株価が692円なので、現在の株価水準は割安という判断ができそうです。
安全域は約2倍(1,396円 ÷ 692円 = 2.017)です。
「なぜか日本人が知らなかった新しい株の本」の著者の山口揚平さんは、安全域が2倍以上ない銘柄には投資することはないと書いているので、バリューコマースは投資候補にはなりそうです。
ただ、私の買い値はだいぶ高いので、年内に損切り(損出し)しようかと思っているのですが・・・。
バリューコマースの場合、過去3年の営業利益を見れば分かるように、3年前とはだいぶ状況が変わってきているので。ここから復活するよりも、さらにダメになって減配して、さらに株価下落というシナリオの可能性が高そうです。。。
典型的な「高配当だけど買ったらダメな銘柄」のような気がしています。私のミスでした。。。
企業価値算定4ステップをエクセルでマクロを組んで取り組む
今回、初めて自分で「企業価値算定4ステップ」をやって思ったことは、エクセルでマクロを組んでやれば、企業価値の算定が自動化できると感じました。
さっそくエクセルでマクロを組んで、他銘柄でも取り組んでみたいと思います。
というわけで、「Excel マクロ&VBA やさしい教科書」を手にしてみました。
今までは企業価値なんて算定せずに投資していたので(企業価値という概念すら頭になかった・・・)、あまり買い値に根拠のようなものを感じることができませんでしたが、今後は投資候補の企業価値を算定してから投資しようと思います。
今後も企業価値算定について勉強を続けたいと思います。