昨日は米中間選挙がありました。
ドル円は日本時間だと日本の株式市場がオープンする15分前、8:45から動き出しました。
ちなみに、先週日曜日(11/4)から米国は冬時間に入り、日本との時差は13時間から14時間に開いています。
MT4の時差も6時間から7時間になりました。
中間選挙の結果は、事前コンセンサス通り「上院は共和党、下院は民主党が奪還」という結末となりました。
私はテレビでABCニュースの選挙特番を映し、サブのノートパソコンにリアルポリティクスのサイトを表示しながらドル円のトレードをしていました。
振り返ると、判断を誤った時が何度があったので、最終的には10,380円のプラスで終えることができました。
昨日はロットを増やそうかと思ったのですが、いつもよりも大きなロットでトレードすると、平常心でトレードできないと思ったので、いつも通り0.3ロットでトレードしました。
昨日は本当にミスが多かったです。一番後悔しているので、最後のSELLのエントリーの早すぎる利食いです。
私は事前コンセンサス通りの結果となることがほぼ判明し、中間選挙という不透明感がなくなったため、今後は2016年のトランプ相場の時のように大幅なドル高円安になるかもしれないと思ってしまいました。
しかし、私の予想とは逆に、ドル円は112円台までドル安円高が進みました。
そのまま保有し、113.0円で利食いしていれば・・・と後悔しましたが、後の祭りです。
いずれにせよ、昨日の中間選挙ではプラスで終えられてホッとしています。未だに2016年の大統領選挙時には60万円以上も損失を出してしまった記憶が残っているので、少々ビビりながらトレードしていました。
私が利用している「Oanda Japan(オアンダジャパン)」のドル円15分足のチャートです。
昨日のドル円は最初にまず大きく下落しますが、113.0円で止まりました。
その後、共和党が下院で善戦しているというニュースが入り、今度は大幅上昇しましたが、114円台までには届かず。
その後、下院は民主党が奪還することが確実になりつつあるというニュースが流れると、今度はまた下落して、113.0円に戻りました。
ただし、欧州時間やNYタイムでは事前コンセンサス通りということからか、ドルは買われていき上昇しました。
ドル円の週足チャートです。
週足チャートを見ると、今後のドル円は上昇していくように私には見えます。
また、114.5円の壁に挑戦していくのではないでしょうか?
さらに、米中貿易戦争が今度のG20で和らぐような流れになればリスクオンとなり、トランプ大統領就任後に付けた1ドル118円を目指すような展開もあるかもしれません。
ただ、下院を奪還した民主党は共和党以上に対中国に強硬姿勢と言われているので、このシナリオは現実的ではない可能性大です。
気になるのが、米10年債利回りの上昇です。現在、3.2%まで上昇しています。
先日の世界同時株安は3.2%台で起こりました。
ただ、現在は原油価格が下落傾向にあり、61ドルほどになっているので、インフレ不安は少し和らいでいるようにも見えます。
さらに、VIX指数も16.4まで下落しています。
今夜の深夜4:00にFOMCがあるので、ここでパウエル議長からどんな発言が出るのかによっても、今度のドル円に影響が出そうです。
今後のトランプ政権はどうなるのか?
米中間選挙が終わり、これからのマーケットの視点は、今後のトランプ政権です。
ねじれ議会となったことで、過去2年よりも法案などは通りづらくなることが予想できます。
一方、下院が野党になったことで、トランプ大統領の暴走を抑えることができるというメリットもあります。
共和党は上院で引き続き過半数を取りましたが、最高裁判所判事や政府閣僚の人事権を持つ上院を抑えることは、トランプ大統領の支持基盤である「キリスト教保守派」の支持をさらに強固にすることにつながり、2020年の大統領選で優位に戦える基盤ができました。
さらに、州知事選でも共和党の勝利がほぼ決まっています。州知事は10年ごとに行われる下院選挙区の区割りを決める権限を持ち、自分たちに有利に区割りを操作することもできます。
下院選挙区の区割りは大統領選にも大きな影響を与えるため、こちらもやはりトランプ大統領にとって2020年の大統領選での布石となります。
今日のニュース記事では様々な声があったので、いくつか引用して掲載したいと思います。全て中間選挙直後(11/7〜8)の記事です。
中間選挙はノー・サプライズ アノマリー的には相場は強い | トウシル 楽天証券の投資情報メディア
トランプ大統領になって以来、税制改革や米中貿易戦争など、マーケットが政治に振り回される場面が多かったです。投資家は下院が民主党、上院が共和党という「ねじれ」状態により、なにも決まらなくなってしまうことをむしろ好感すると思われます。(これでワシントンDCを気にすることなく相場に取り組める)というわけです。
さて、『ストックトレーダーズ・アルマナック』のジェフ・ハーシュによると「中間選挙の年の10月頃に相場はボトムをつけ、次に控える大統領選挙に向けて相場は高くなる」というアノマリーがあります。
実際、中間選挙の年は春先の高値から秋の安値にかけて平均-16.9%下落しています。そして中間選挙の直前、つまり10月前後に底入れするのです。そこで買えば半年後に平均して+21.7%上昇するというのが1950年以降16回あった中間選挙の「お定まりのパターン」です。
米『中間選挙』、注目の下院は民主党が勝利【キーワード】:三井住友アセットマネジメント
一方、上院は非改選議席の多い共和党が勝利しました。ただし、議事妨害(フィリバスター)を阻止できる60議席の確保はなりませんでした。
【今後の展開】トランプ大統領の掲げる政策の実現は困難な状況に
■上院と下院で多数党が異なる、いわゆる「ねじれ」議会となったことで、共和党主導の予算編成は困難となりました。従って、国境の壁建設に代表される移民対策や、医療制度改革等は実現の可能性が後退する見通しです。ロシア疑惑を抱えるトランプ大統領への追及が強まることもありそうです。
ねじれ議会 景気に重荷 遠のく追加減税 公共投資で協調も:日本経済新聞
懸念材料は米景気の行方だ。大型減税で18年は3%前後の高い経済成長となる見込みだが、19年後半以降は減速が避けられない。18、19年は歳出を計3千億ドル膨らませる特別措置も講じており、20年には歳出が急減する「財政の崖」にも直面する。08年の金融危機を予告したヌリエル・ルービニ米ニューヨーク大教授は「20年には景気後退に陥る可能性がある」とまで指摘する。
もっとも、共和、民主とも20年の大統領選を前に景気失速を回避したいのが本音だ。民主党は道路や空港など公共投資の積み増しに積極的で、ペロシ氏も6日に「超党派で進められる分野はインフラ投資だ」と明言した。トランプ氏の経済政策は減税と規制緩和で走り出したが、積み残しのインフラ投資は民主党と組んで実現する道が残る。
上下院で多数派が異なる「ねじれ」が生じればトランプ氏の政権運営は難しくなる。医療保険制度改革法(オバマケア)の改廃や移民排斥には民主党が抵抗する。トランプ氏は支持者向けに、民主を痛烈に批判するのではないか。大統領の意向が優先される外交で、さらに大胆な政策を打ち出してくるかもしれない。
トランプ氏、民主に秋波とけん制 対日貿易赤字に不満:日本経済新聞
今後、トランプ政権が掲げる公約の多くを進めるためには、予算編成権を持つ下院の多数派である民主の協力が必要になる。トランプ氏は記者会見で民主の下院トップ、ペロシ院内総務と「協力できるだろう」と述べた。具体的にはインフラ投資や通商政策、薬価の引き下げを例に挙げた。
インフラ投資を実行に移すには、財源の問題をクリアする必要がある。ねじれた議会では2019年の追加的な財政政策による景気刺激策は相当難しいと考えている。既に米国は巨額の財政赤字を抱えており、次の議会はいわゆる「財政の崖」に取り組む必要がある。インフラ投資の財源を確保するためにどの分野の予算を削るのか、まだ見えない。
民主党が下院の過半数の議席を獲得し、ペロシ下院院内総務が下院議長になるとみられており、トランプ政権に対するチェック・アンド・バランス機能が復活する見通しが強まった。これによりトランプ氏の爆走を避けることができるという見方が中間選挙翌日にこれだけ株式相場が急上昇した背景だ。
株式相場はこれまでの大きな売りでかなり割安になっていただけに、中間選挙の結果をきっかけに買いの好機となった。我々の予想では年末に向けて堅調となり、S&P500種株価指数は年末には3000まで上昇するとみている。
中間選挙後に株式相場が急騰したのは市場から先行き不透明感が払拭されたことが最大の要因だ。歴史的にみてもねじれ議会のときの方が株式相場は上昇する例が多い。また、民主党と共和党のねじれ議会で様々な法案成立が難航しても、トランプ氏は大統領令を発動することで金融規制の緩和などをする可能性もある。ねじれ議会のときには規制を強化する法案が成立するペースが鈍いという事実も相場には好材料だ。
株式市場については、1930年代以降、中間選挙後の12カ月間で株式相場が下落した年はほとんどない。今回も同じ状況になるだろう。S&P500種株価指数は年末までに3000まで上昇すると予想している。
多くの共和党員の政治的命運はトランプ大統領と一蓮托生(いちれんたくしょう)だ。2020年の大統領選でトランプ大統領が負けることが明白にならない限りは、共和党議員はトランプ大統領を表だって批判する声はあがらないだろう。
下院民主党がトランプ大統領に対する捜査活動を積極的に展開することは間違いないが、弾劾に持ち込むかには懐疑的だ。民主党にとって最も効果的な政治的戦略は、今後2年間、トランプ大統領の捜査の進展に世間の注目を集め続ける一方で、弾劾のような過剰な動きは取らないことだ。もちろん、捜査でなにが明らかになるかにもよる。